大元隆志のワークシフト論

“遊び”がビジネスを創る--リクルートのイノベーション集団

大元隆志(ITビジネスアナリスト)

2014-07-21 07:30

 リクルート。この名前を知らない人は日本にほとんどいないのではないだろうか。もし、リクルートという名前を知らなかったとしても、リクナビやゼクシィ、R25、Suumoなど同社が創り出したサービスの名前を聞けば、一度はお世話になったことがあるのではないだろうか。

 「新たな価値」を生みだすことを企業理念に掲げるリクルートを、技術で支えるのが「リクルートテクノロジーズ」だ。このリクルートテクノロジーズに、リクルートをさらに進化させることをミッションとした「アドバンスドテクノロジーラボ」が設立された。

 今回は、アドバンスドテクノロジーラボ長を務めるリクルートテクノロジーズ 最高技術責任者(CTO) 米谷修氏に、ラボ設立の狙いをうかがった。


アドバンスドテクノロジーラボ長を務めるリクルートテクノロジーズ CTO 米谷修氏

--アドバンスドテクノロジーラボ(ATL)とはどのような組織なのでしょうか。

 「世の中の先進技術から新しい価値を創出する」ことをミッションとしています。新しい価値を生みだそうとすると、世の中のニーズを読んで価値を生み出す方法と、シーズから価値を生み出す方法の2種類があると考えています。

 リクルートはニーズをつかんで価値を創出することを得意としていますから、ATLでは、シーズ、それも最先端の技術から新たな価値を創出することに挑戦します。

--いわゆるシーズから価値を生みだそうとする「プロダクトアウト」の発想は、ニーズから価値を生み出す「マーケットイン」の発想への転換が、ここ最近重要視されています。あえてシーズを選択される理由はどのような背景があるのでしょうか。

 世の中の流れを変える技術が続々と生まれてくるからですね。例えばHadoopという分散処理技術がありましたが、Hadoopが登場したことによってデータウェアハウス(DWH)の可能性は一気に加速したわけです。その流れがあり、今のビッグデータの文脈へと続いています。シーズが新たなニーズを生みだした例ですね。

 スマートフォンやソーシャルメディアといった「破壊的テクノロジ」と呼ばれる技術が今、世の中を変えようとしています。これらの技術を上手く使いこなせることも、これからの企業には必要な競争力だと考えます。

 「世の中のニーズを見る視点」も大切ですが、「技術で世の中を変える視点」も大切だと思います。われわれはリクルートグループの中で「技術で世の中を変える視点」を担います。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]