7月1日の朝8時50分に公表予定の6月の日銀短観は重要だ。楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト窪田真之氏の分析によると、4月以降の日本の景気落ち込みが一時的であることを確認する内容となる可能性があるとのことだ。
今回の日銀短観は、世界中の投資家から注目されている
4月からの消費税が引き上げで4~6月の日本の景気が一時的に低下していることは、世界の投資家が知っている。景気低下が一時的で、7月以降再び景気が復調するかが、日本株の投資判断を決める上での重要な争点となっている。
日銀短観の注目ポイント
(1)一番の注目点は、大企業製造業DIだ
過去、日本の景気変動をとてもよく表してきたので、投資家の信頼が高い。経済政策や金融政策を決める上でも、重視されている指標だ。その仕組みは単純明快。企業経営者にアンケートをとり、足元の景気が良いと感じている企業の割合から景気が悪いと感じている企業の割合を引く。それだけだ。
<3月日銀短観での大企業製造業DI>
3月(現状)+17、6月(先行き)+8だった。消費税引き上げ前の3月は、景況がきわめて良いが、6月の先行きに経営者が不安を持っていることを示す内容だった。
<今回発表の注目点>
6月(現状)がどうなるかが注目だ。市場予想では、+14程度になる見込みだ。3月時点での6月予想(+8)よりも大幅に高くなる見込みだ。
また、9月(先行き)がどうなるかも注目だ。市場予想では+17程度が出る見込みだ。消費税引き上げ前の景況+17に近い値が出れば、景況は「とても強い」といっていいだろう。
(2)次の注目点は、大企業・非製造業だ
国内景気が好調で、大企業・非製造業DIが好調であることも注目されている。
<3月日銀短観での大企業非製造業DI>
3月(現状)+24、6月(先行き)+13だった。
<今回発表の注目点>
市場予想では、今回、6月(現状)+19程度、9月(先行き)+20程度が出る見込みだ。市場予想通りに出れば、内需中心に非製造業も強いことが確認できる。
設備投資関連株に注目
日銀短観で設備投資の強さが確認されれば、設備投資関連株への投資を増やしてもいいだろう。
設備投資関連の参考銘柄については、6月4日付けのレポート「機械株の投資妙味が高まる 」をご参照いただきたい。
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