サンドポイント市はウェルカムセンターの駐車場にこのソーラーパネルを組み込むことを希望しており、他にも25エーカー(約10万1200平方メートル)の空港、アムトラックの駅、歩道など多くの場所に利用する予定だ。
「『もし一般に使える駐車場をオープンすることがあったら、その上で歩いたことがあると言うためだけに飛んでいくので知らせてほしい』と言ってくれる人が世界中にいる。これは、市にとって大きなことだ」と同氏は言う。
新チームの資金が調達できたことで、Brusaw氏は駐車場用のプロトタイプに最後の調整を行い、2014年末までに製造の準備を整え、2015年の春が終わるまでには、道路用のものの実用版を実際に設置してみる計画だ。
道路には、雪や氷を解かすための加熱用部品も組み込まれる。このパネルは、今の道路よりも安全な代替物として売り込まれている。しかも穴が空くこともなく、塗料不要、修繕も不要だ。
このソーラー道路は、LEDディスプレイが組み込まれているスマート道路でもある。LED表示の文字による警告サインを使って、落ちた大枝、動物、工事などを手前の道路に表示することができる。また、電線や電柱などを減らすのにも役に立つ。その下にはケーブル配線用スペースが走っており、家庭用の電線、ケーブルテレビの回線、光ファイバーなどを配線することができるため、電柱の必要をなくすことができる。また、雨水を処理施設まで運ぶための移送システムとしても機能する。
長期的な影響
テクノロジが進歩するにつれて、ソーラーパネルの価格は下がり、効率は向上してきた。米エネルギー情報局によれば、2012年には、米国の電力の68%が化石燃料から作られている。太陽発電は総発電量の0.11%であり、再生可能エネルギー全体でもわずか5%に過ぎない。毎日途方もない量の日光を吸収・反射している道路をソーラーパネルで置き換えれば、これによる温室効果ガスの削減は相当なものになる。
「米国だけでも2万平方マイル(約5万1800平方キロメートル)の舗装された地面があるが、(すべてをSolar Roadwaysに変更した場合)その発電量は米国が使用している電力の3倍に相当する」とBrusaw氏は言う。
これには、歩道やバスケットコート、自転車用レーン、駐車場などは含まれていない。
長期的には、電力網を「スマートグリッド」で置き換えることが考えられる。またこの計画には、電気自動車のための充電体制を改善することも含まれている。今はまだ電気自動車用充電ステーションはあまり多くないが、どこでも充電できる道路が可能になれば、この問題への解決策となり、この技術を主流に押し上げる可能性がある。電気道路は電気自動車が必要とする電力を運ぶインフラを作るのにも役立つとBrusaw氏は付け加えた。
「これは地球を救う技術だ。環境を救うだけでなく、経済も救ってくれる。誰でも気に入るところがあるはずだ」とBrusaw氏は話す。