対応クラウドを拡充
体系化にあわせて、「SAPクラウドサービス」「SAPグローバルテンプレート」「フロント統合ソリューション」の既存サービスが強化されている。強化した3つのサービスの価格は、いずれも個別見積もりになっている。
SAPクラウドサービスでは、従来からの「FUJITSU Cloud IaaS Private Hosted LCP」に加えて、新たにプライベートクラウドの「FUJITSU Cloud IaaS Private Hosted A5+専用サービス for Windows Server」と、パブリッククラウドの「FUJITSU Cloud A5 for Microsoft Azure」にも対応する。オンプレミスシステムと連携させたハイブリットクラウドとしても利用できる。「競合他社に比べても、クラウドの選択肢が広い。SAPユーザーに最適な選択をしてもらえる環境が整う」
SAPグローバルテンプレートでは、海外展開する企業を対象に富士通が提供してきたERPテンプレートをBusiness Suite powered by HANAにも対応させる。中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心とした11カ国の法制度対応機能を事前設定するなど、日系企業の進出が加速しているアジア諸国向けを中心に強化。一括提供することで、短期間でシステムを構築できるという。
フロント統合ソリューションでは、業務アプリケーションの構築に必要となるユーザーインターフェースやビジネスプロセス管理、サービス連携などの機能をオールインワンで提供する。複数システムを集中管理するポータルや機能を容易に構築できるとするほか、従来は、プログラム開発していた画面やウェブサービスなどを自動生成できるため、効率的にシステムを構築できるとしている。企業内システムやクラウドサービスと連携させることで、組織を横断した業務プロセスの実行や経営や業務で必要な情報を可視化して、新規業務の迅速な構築を実現できるという。
前村氏は「他社から導入したSAPユーザーに対しても訴求していくことになる。現在、富士通でのSAPビジネスは250億円規模。ERPモダナイゼーションサービス for SAPソリューションでは今後、3年間で新たに50億円規模の売上高を想定している。そのうち、マイグレーションサービスで25億~30億円、トータル診断サービスで20億円規模を目指す」と意気込みを語った。今後、Oracleシステムについても、同様に体系化してサービスを提供する考えがあることを示した。