SAPのデータベース製品をすべてサポート
レッドハットとSAPジャパンは7月7日、インメモリデータベース「SAP HANA」をRed Hat Enterprise Linux(RHEL)上で本番稼働できるようにしたと発表した。
これにより、「SAP Adaptive Server Enterprise(SAP ASE)」「SAP IQ Software、SAP SQL Anywhere Suite」を含むSAPのデータベース製品群が、全てRHELに対応したことになる。
HANAはトランザクションデータを蓄積し、リアルタイム分析とレポーティングで意思決定を迅速にするとともに、ビジネスプロセスを加速することを目的としたソフトウェア。
今回、HANA用途に向けて「RHEL for SAP HANA」の提供が開始され、SAPの認定ハードウェアを提供するパートナーによりサポートされる。ユーザーはビジネス全般にわたるSAPの運用環境を、RHELの高性能で安定したプラットフォームによって標準化できるようになる。
RHEL for SAP HANAは、容易な導入が可能になるように設計しており、パートナー各社が提供するSAP認定ハードウェアで利用可能という。これによって、さまざまな業種のユーザーの要求を満たすように設計された製品群が、Red HatとSAPのパートナーによって提供される。
AWSで利用可能に
また、RHEL for SAP HANAやSAPのデータベース製品群は、Amazon Web Servicesにおいて利用可能となっており、パブリッククラウドによるデータ管理の利点をユーザーにもたらす。
なお、HANAとSAPデータベース製品群のRHEL対応に加えて、SAPとRed Hatは以下のような協業をしている。
・Red Hat JBoss MiddlewareによるSAPゲートウェイ技術における継続的な協業
Red HatとSAPは、Red Hat JBoss Fuse Service WorksやRed Hat JBoss BRMSなどのRed Hat JBoss Middleware により、企業内に散在するビジネスデータをリアルタイムにSAP製品と共有し、ビジネスの変化に迅速に対応できるようにする。
・OpenShiftにSAPデータベース製品群を統合
2014年4月に開催された「Red Hat Summit 2014」において、Red Hatが提供するPlatform-as-a-Service(PaaS)の「OpenShift」で、SAP ASE、SAP IQ、SAP SQL Anywhereをカートリッジとして利用できるようにしたと発表した。PaaSの「OpenShift Online」、オンプレミスで稼働する「OpenShift Enterprise」、オープンソースプロジェクトの「OpenShift Origin」のOpenShift全ラインアップで利用可能になっている。
・協調サポート契約
SAPとRed Hatの長期にわたるパートナーシップの一環として、RHEL for SAP HANAを含む協業はSAPとRed Hatのエコシステムによってサポートする。