筆者はそれを怠った。2013年の8月ごろ、筆者は優先順位について断固たる決定を下した。ZATZを放置して、ほかのことに取り組むという決定だ。筆者は自分の時間の使い方の優先順位について、時として断固たる決定を下さなければならない。これは重大な決定だった。ハッキングの可能性があることは分かっていたが、数カ月に1度、同サイトの保守を行うために週末を潰したくなかった。やるべきことをほかにも山ほど抱えていたし、ZATZの保守はそれほど重要なことではなかった。
そのようなわけで同サイトを放置した。
ZATZをアップデートするには、WordPressの新バージョンをインストールし、最新のテーマとプラグインを約800ドルで購入する必要があった。筆者はウェブサイト管理の優先順位を下げることにしただけでなく(何といっても、ZATZは売り上げが発生するサイトではなくなっていた)、同サイトにこれ以上のお金は使いたくないとも考えていた。
時間が流れ、WordPressの開発者、各種プラグインやテーマの開発者が自社製品をアップデートし、不具合の発見と修復を何度も繰り返した。筆者のサイトは取り残され、バージョンが2つ古くなっていた。その結果、筆者のサイトに不具合が残ってしまった。
こうして3日夜の事件につながっていく。筆者はNetflixを見続ける予定だったが、専門家の力を借りて、ZATZをアップデートする羽目になった。
幸い、WordPressは非常に人気が高いため、ハッキングの影響を緩和するサービスをはじめ、リソースのアフターマーケットは大変充実している。筆者がよく知っているサービスもいくつかあり、それらの開発者の多くにWordCampで会ったこともある。筆者が自分でハックを見つけて取り除こうとしていたら、これらのサービスの1つを利用するよりも、はるかに長い時間がかかっただろう。
筆者はSucuriを選んだ。同社は無料のマルウェアスキャナと、年中無休の監視およびハッキング緩和サービスを提供しているからだ。料金は1つのサイトだと89ドルだが、最大5つのサイトまで189ドルで利用できるサービスもある。筆者はほかにもサイトを所有しているので、5サイト分のサービスにして、ほかのサイトもチェックした方が得だと考えた。
このサービスは2時間以内に問題のマルウェアを発見して駆除したが、筆者には最初から分かっていたことをしきりに主張した。サイトをアップデートすべきときが来ているというのだ。
そのため、筆者は週末の大半を費やして、断続的にサイトのアップデートを行った。合間にお祝いのピクニックや大量の鴨のくんせいなどの食事を挟みながらも、4日の午前2時までにZATZサイトのアップデートを完了した。リストを見ながらサイトを1つずつアップデートしていったので、今ではすべてのサイトが強固で最新の状態にある。
ほとんどのサイト(本当に取るに足らないサイトは除く)が、不正侵入がないか、Sucuriによって常時監視されている。筆者はすべてのサイトを一元管理できるコンソールとして、「InfiniteWP」や「ManageWP」「MainWP」のようなプラグインの導入も検討中だ。
今回のハッキングの被害から立ち直るのは非常に簡単だったが、それでも、ハッキングされるのは決して楽しいことではない。
最も重要な教訓は次のことだ。コンテンツを放置したとしても、ウェブサイトは決して放置すべきでない。サイトを支えるサーバソフトウェアとセキュリティシステムは常にアップデートして、侵入や不正行為を防がなければならない。面倒なことだが、私たちが生きているのはそういう世界だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。