デル・ソフトウェアがバックアップ領域での製品拡充を進めている。
同社は7月9日、統合管理バックアップソフト「NetVault Backup 10」と重複除外バックアップ専用機(アプライアンス)「Dell DR6000」を発売した。
Dell Software Group アジア太平洋 データ保護ソリューション ジェネラルマネジャーのKumar Mitra氏
Dell Software Group アジア太平洋 データ保護ソリューション ジェネラルマネジャーのKumar Mitra氏は、「企業ではいまだにサイロ化された、ビジネスにマッチしていないデータバックアップが行われている。デルはビジネスにマッチしたバックアップ製品を提供すべきだと考えている。そのためにバックアップとリカバリのラインアップ拡充に投資してきたが、新製品は需要な機能向上を実現した製品だ」と話している。
今のバックアップはビジネスにあっていない
統合管理バックアップソフトのNetVault Backup 10は、同時に発売されたDR6000とセットで利用することで、大規模から中規模のシステムをもつユーザー企業に最適な高速、大容量バックアップを構築できるという。「Rapid Data Access(RCA)」使用時のスループットは、1時間あたり最高22Tバイトとなる。
デル・ソフトウェアはバックアップ製品の拡充を進める理由についてMitra氏は次のように説明する。
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DR6000
「従来のバックアップは、企業の業務が夕方に終わることを見越して、夜間にバックアップを取り、その後はバッチ処理を行うというタイムサイクルのもとに実施されていた。しかし、現在では働き方も大きく変貌し、夕方になればシステムがストップする時代ではない。そのため企業が利用するバックアップはビジネスにマッチしないものとなっている。Dell Softwareは、データをきちんと分析し、要件にマッチしたリスクとコストに見合ったバックアップを要件別に取ることが重要だと考える」
NetVault Backup 10とDR6000はともに海外ではすでに発売済みで、さらに2製品を新たに発売しており、「この2製品も日本で近日中に発売予定」(Mitra氏)となっている。
NetVault Backup 10は、従来製品の「NetVault Backup 9」から新しいウェブベースのユーザーインターフェースを搭載し、直感的な操作が可能となった。新しいバックエンドデータベース、最適化されたスケジューラ、メディア管理アルゴリズムを搭載し、応答速度を向上させ、バックアップとリカバリの作業時間を短縮できたという。
管理できるクライアントの数も、前版では300台が適正だったサーバごとに管理できるクライアントの数を1000台まで拡大するなど、拡張性も向上させている。対応OSとしても、Windows Server 2012 R2に対応している。
DR6000は、大規模環境での利用を想定して設計された。NFS/CIFSのバックアップ向けとして、業界初のソースサイド重複除外機能となる「Rapid NFS/Rapid CIFS」を採用。NFSもしくはCIFS使用時に、ソース側 (バックアップ元)で重複データを除外する。
その結果、既存のワークフローに影響を与えることなく、バックアップ性能を3倍から5倍に高速化した。レプリケーションとファイル共有機能も2倍に強化しており、現在、重複排除バックアップアプライアンス「DR」シリーズ64台分のデータを、1台のDR6000で同時レプリケーションできるという。
税別価格は、NetVault Backup 10.0は最小構成として初年度保守料込みで17万8560円から。DR 6000は9Tバイトの使用可能容量モデルで534万7500円から。DR6000発売後も、「(既存モデルの)DR4100は併売していく。DR6000は大規模から中規模向け、DR4100は中規模以下と売り分けていく」(デル・ソフトウェア テクニカルサービスマネージャー 下館英之氏)