RHEL 7、コンテナ管理ツール「Docker」サポート--アプリ起動が迅速に

齋藤公二 (インサイト) 2014年07月11日 17時59分

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 レッドハットは7月10日、米国で6月10日にリリースされた企業向けLinuxディストリビューションの新版「Red Hat Enterprise Linux 7(RHEL 7)」を国内で発表した。2000年から提供しているRHELの最新版で、2010年10月にリリースしたRHEL 6から数えると約4年ぶりのメジャーアップデート。“オープンハイブリッドクラウド”の基盤となるOSとして「エンタープライズOSを再定義した」とアピールした。

 オープンハイブリッドクラウドとは、物理、仮想、プライベートクラウド、パブリッククラウドにまたがるオープンなクラウドコンピューティングを実現する基盤を指している。代表取締役社長の廣川裕司氏は「これまでのデータセンター向けOSから、物理システムからクラウドまでのあらゆる環境に適したOSに再定義した。2013年12月にベータ版を公開し、7000を超えるユーザーがベータテストに参加。1万7000以上のバグを潰してミッションクリティカルレベルに仕上げた」と説明した。

廣川裕司氏
レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏

 新版の特徴は大きく3つ。1つめは「Linuxコンテナ(LXC)」を簡易に扱えるようにするツール「Docker」を正式にサポートしたこと。これにより軽量で簡易化されたアプリケーションの配布と隔離が容易にできるようになった。

 2つめは、Windowsとの相互運用性を高めたこと。Active Directoryと連携しWindowsとRHELの混在環境で運用しやすくした。3つめは新しいファイルシステム「XFS」を採用したこと。最大500Tバイトまでのファイルシステムを拡張できるようにした。

 このほか、“プロファイル”と呼ばれる、用途に最適化したシステムをデプロイする仕組みを追加したこと、「OpenLMI(Linux Management infrastructure)」と呼ばれる管理フレームワークに対応、再インストールすることなく最新版にアップグレードできる“インプレースアップグレード”に対応、initdに代わってsystemdを採用したことなどが主な変更点となっている。

鶴野龍一郎氏
米Red Hat プリンシパルプロダクトマネージャー 鶴野龍一郎氏

新機能に興味

 米Red Hatのプリンシパルプロダクトマネージャーの鶴野龍一郎氏は、「RHEL 7の導入意欲はかつてないほど高い」とし、ベータテストに参加した368社に対する調査で、一般提供開始後6カ月以内に製品を利用すると回答した人は62%に達したことを明かした。こうした導入意欲の背景にあるのが、RHEL 7で提供される新機能だという。

 Linuxコンテナについては「デプロイメントの柔軟性、運用の効率化、保守の簡易化、デプロイメントコストの低減という点で、ITオペレーションが劇的に変わる」(鶴野氏)ことから注目度が高いという。Linuxコンテナは、アプリケーションとライブラリをコンテナとしてパッケージ化したもの。仮想マシンと違って、コンテナ内にはOSを含まないため、アプリケーションを素早く起動できる。

 ホストシステム間での移動やイメージの作成、デプロイ、メンテナンスが容易という特徴もある。RHELでは、Linuxカーネルのプロセス制御機能であるcgroups、カーネルネームスペース、アクセス制御やセキュリティ機能のSELinux、sVirtを使って実現している。RHEL 7では、ここにコンテナの管理を容易にするDockerが加わり、シンプルなコマンドで簡単に扱えるようになった。Dockerの機能をフルサポートしている。

 米国での発表時には、Linuxコンテナ用に最適化した「Atomic Host」という新OSも発表されている。リリース時期は未定だが、イメージベースのテクノロジを利用して、デプロイメント、アップデート、ロールバックが容易に実行できるようになる。Atomic Hostでは、GUIを使ったコンテナ作成やデプロイも可能になるという。

 AD連携については、2つの方法で実現できることが紹介された。1つは、直接的な連携で、ADの認証を使ってRHELを利用するというもの。もう1つは、間接的な連携で、ADとID管理製品を相互に連携させたうえで、ID管理製品を通してRHELを利用するというもの。

 性能については、RHEL 6.5と比較して、分析やオンライントランザクション処理(OLTP)など複雑なワークロードで向上したという。具体的には、商用データベースを使ったOLTPでは10%、オープンソースデータベースを使ったOLTPでは13%、サーバサイドのJavaシステムでは25%の性能向上が見られたという。ネットワークパフォーマンスツールのtunedやTunaを使った性能の微調整、モニタリングツールのPerformance Co-PilotやThermostatを使った監視なども、性能向上に寄与できるとする。

 運用面では、6.xから7に直接アップグレードできるインプレースアップグレードが備わった。現在のOSの状態とRHELのプロファイルを監査し、問題が発生する可能性を示したレポート、変更用の設定ファイル、アップグレード後に実行するスクリプトなどを作成するアシスタント機能が提供される。

 新たに採用されたsystemdでは、サービスを平行して起動して起動時間を早めている。initdと互換性があるため、既存の起動スクリプトを流用できるという。

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