Microsoftは米国時間7月13日から5日間、米ワシントンD.Cで年次パートナー向けカンファレンス「Microsoft Worldwide Partner Conference 2014」(WPC 2014)を開催する。2月にMicrosoftの最高経営責任者(CEO)に就任したSatya Nadella氏が初めて公の場に姿を見せる場としても注目を集めている。
世界から1万4000人以上が参加するとみられている。日本からも、富士通などを筆頭にパートナー企業149社から過去最多の356人、日本マイクロソフトからも120人が参加する。パートナー経由の売り上げが大半を占めるMicrosoftは「従業員よりも先にパートナーに情報を開示する」と言われるほどパートナーを重視しており、WPCは具体的にそれを示す場となっている。
Nadella氏の登場とともに見どころになるのは、クラウド事業やモバイルへのシフトをよりどこまで鮮明にしていくのかという点。Microsoftの関係者によると、「Office 365」のパートナー向けの施策について発表などが予定されているようだ。
また、Microsoft社内で「(IaaS/PaaS)Azureの売上目標が、かなり高く設定されている」とのこと。「日本は特に他国よりもAmazon Web Servicesの存在感が強い」という状況の中、Azure関連の施策も多く出てきそうだ。
実質的初日となる7月14日のキーノートは、最高執行責任者(COO)のKevin Turner氏が務める。最も注目されるNadella氏は7月16日のキーノートに登壇する予定だ。
7月13日に開催されたプレス向けレセプションで、ドイツのリセラー向けメディア「CRN」の編集者、Dr.Werner Fritsch氏は「新CEOのNadella氏の手腕に注目している。前CEOのSteve Ballmer氏はセールス出身で、Windowsのことばかり考えているなどの点に問題があった。技術を理解するNadella氏がそのあたりの状況を改善するかもしれない」と話していた。
実際に、「Nadella氏がCEOになってから、日本でのデータセンター開設の発表などをはじめ経営判断が早くなった」といった社内の声もある。
また、先日米国で発売された「Surface Pro 3」の現地での割引販売があるのではないかという話に加えて、今夏に発売されるとの情報も出回った「Surface Mini」が、このWPC 2014で発表されるのではないかなど現時点で真偽がはっきりしないうわさもいくつか出てきている。
ZDNet Japanは、WPC 2014を現地で取材し、すばやく情報を届ける。
ところで、プレス向けレセプションが開催されたのは、サッカーW杯でドイツが優勝を決めた直後だった。話を聞いたドイツ人記者も、喜びを隠せない表情で「今のドイツチームは戦術的に優れている」と笑顔を見せていた。
サッカーとは縁遠いと言われる米国(実際には、今回もベスト16に残るなどすでに強国の1つともいえる)ではあるが、ドイツとアルゼンチン出身者がそれぞれのユニフォームを着ている姿を多く見かけた。写真は、優勝に喜ぶドイツサポーター。旗は、ドイツの前身となるプロイセン王国のものだという。
世界から人が集まるため、W杯の話題から話を始める場面も見かける。国をまたいだ交流を1つの目的にするイベントで、間接的ではあるがサッカーも1つの役割を果たしている。
前身となるプロイセン王国の旗を掲げて優勝を喜ぶドイツサポーター