2. 宇宙の入口で写真を撮る
すでに複数の改造マニアのチームが、Raspberry Piで動くカメラリグを地球の上層大気に浮かべているが、どのチームもRaspberry Piを改造して使っている。
Model B+は、高高度のカメラリグなど、バッテリで動く装置に接続して使うのに適している。これは搭載電源レギュレータを効率の高いものに変えたためだ。
今回のアップグレードで、リニアレギュレータの代わりにスイッチングレギュレータが採用され、電力消費量が0.5W~1W削減される。
「高高度気球に挑む人々は実際にこれによって恩恵を受けることになる。彼らは以前から、気球を上昇させる前にRaspberry Piを改造し、電源供給装置を今回われわれが採用したものと非常によく似たものに置き換えている」(Upton氏)
「これにより電力消費量が減るため、気象観測用気球に取り付けられるくらいの小さなバッテリでも長時間動作できる。箱から出してすぐに使えるので、彼らにとっては大きなメリットになる」(Upton氏)
同氏はさらに、Raspberry Piを内蔵する製品を開発する企業も、電力消費量と廃熱を削減できるため、新しいレギュレータの恩恵を受けることになるとしている。
3. すぐに使えるコンピュータとしてのRaspberry Pi
Raspberry Piは子どもがプログラミングを学ぶための低価格コンピュータとして開発されたため、シンプルであることは不可欠だ。
Model B+では、USBポートのアップグレードのおかげで、周辺機器をRaspberry Piにつないですぐに使い始めるということが、これまで以上に簡単になっている。
USBポートの数が2基から4基に増えたほか、小型の外部ハードディスクドライブやWi-Fiドングルといったさまざまな周辺機器に、USBポートから電力を供給できるようになった。
「Raspberry Piをコンピュータとして使っている、多くの教育分野のユーザーにとって、USBポートが増えたことと、USBポートから電力供給がされるようになったことは、どちらもメリットになる」(Upton氏)
「電源供給型の(USB)ハブなしでも、Raspberry Piをもっと多くの用途に使えるようになる」(Upton氏)
Raspberry Pi財団のハードウェアエンジニアリング担当ディレクターのJames Adams氏は、新しいポートの機能についてさらに詳しく説明している。
同氏は次のように書いている。「この給電型USBポートには、適切なリミットスイッチがあるので、USBデバイスの電源が入った状態で接続されても(あるいは過剰電流や電力不足のような不具合があっても)ボードの電圧が下がらないようになっている。デフォルト設定では、USBポート4基全体で600mAの電流が流れるようになっているが、高品質な2Aの電源ユニット(PSU)を使うなら、config.txtのパラメータ設定によって1.2Aまで増やすことが可能だ」
4. 美しい音楽を作る
高品質の音をRaspberry Piから生み出したいという願望から、HiFiBerryのような専用アドオンボードが開発されている。
Model B+では、Raspberry Piのオーディオ品質を向上させるために、専用の「低ノイズ」電源装置を組み込んでいる。
あるRaspberry Piのエンジニアがフォーラムで次のように説明している。「オーディオ出力の生成には今でもPWMが使われているが、オーディオ専用の給電レール(デジタル的なノイズが全くない)と、専用の出力ドライバが新たに採用されている」
「出力インピーダンスは(Model)Bよりもはるかに小さく、出力DCブロッキングコンデンサの容量は47uFになり、これによって、低音域のレスポンスと音量という観点からみて、32オームのヘッドホンの使用に適するようになった」(前述のエンジニア)
5. おしゃれなRaspberry Piを作る
見た目がすべてではないが、ボードのデザインをすっきりさせ、ポートの配置を変更して、ケーブルがボードの2辺のみから出るようにしたことで、より魅力的なケースを作成できるようになるだろう。
Model B+のデザインでは、USBコネクタがボードの端に並び、コンポジット映像信号は3.5mmヘッドホンジャックの上に移され、4つのマウント孔は四角形に取り付けられている。
Upton氏は「非常に魅力的なRaspberry Pi用ケースが登場する予定だ」と述べている。すでに、レインボーカラーのケースや、Raspberry Piを「トウガラシ色」のベースに取り付けるケースなど、新しいケースが発売されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。