保険、引越し、車買取、結婚サービスなどの比較サイト「ズバット」を運営するウェブクルーは、サービスを通じて収集したユーザープロファイルやサービス利用状況の集計や分析のため、これまで使っていたツールに代えて、インメモリをベースにしたビジネスインテリジェンス(BI)ソフトウェア「QlikView」を導入、運用している。アシストとクリックテック・ジャパンが7月17日に発表した。
これまでウェブクルーが使っていた集計ソフトやBIツールでは、サービスごとのコンバージョン件数だけでも1カ月で数万件を超えるデータを処理しきれなかったという。分析用のデータはシステム部門に準備してもらう必要があり、1週間程度のリードタイムが必要で、上長や経営層へのタイムリーな報告を妨げるボトルネックになるなどの課題があった。こうした課題を解決するため、同社では2013年10月にQlikViewの採用を決定した。
システム構成イメージ(アシスト提供)
以前導入したBIツールは、操作性や性能の低さに加え、分析軸の変更が困難なことから社内全体に普及しなかったという。QlikViewは使いやすい、マニュアルなしでも使えると現場からの評価が高いと説明。QlikViewから得られるデータをもとに社内の共通言語化を目指せるとしている。
以前は分析のためのデータ作成をシステム部門に依頼する必要があったが、QlikViewでは作成作業自体が不要になり、システム部門の負荷とコストを削減、現場の分析担当者はいつでも最新のデータを対象に分析できると説明している。
キャンペーン効果をQlikViewで分析した結果、コンバージョンと成約数の関係が明らかになり、プロモーションの投資対効果をより正確に測定できるというメリットがあるという。クライアントに対して、分析結果をもとに、より詳細で戦略的な提案を実施できるようになり、営業の提案力やコミュニケーション力の向上に寄与できるとしている。
QlikViewの導入で売上予測を立てる作業は半日から1~2時間に、複数のセグメントを設定したシミュレーション作業は3時間から15分に、レポートの作成時間はプログラミングが不要になり、5分の1に短縮されているという。
ウェブクルーでは、QlikView導入の翌週には、引越しや自動車保険、車買取の事業の運営部門や広告部門、システム部門で本格的な活用を開始。現在では50を超えるQlikViewのアプリケーションを利用していると説明。今後は、結婚サービスなどの事業にも横展開を進める予定で、QlikViewを誰もが使えるツールとして、全社員がマーケティング視点でデータを活用していくことを目指すとしている。