カスペルスキー、小規模向けセキュリティソフト--ファイルサーバも保護

三浦優子 2014年07月19日 08時00分

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 カスペルスキーは7月17日、クライアント台数が10台以下の小規模オフィスを対象としたセキュリティソフト「カスペルスキー スモール オフィス セキュリティ」を発売した。ウイルス対策やパスワード管理、ネット決済などの機能に加え、Android端末やファイルサーバの保護機能も搭載し、インストール後に複雑な設定なしに使い始められるという。

 価格は最小構成で1万2800円。同社では今後も法人向け製品の拡充を進める計画で、同日付でVMwareの仮想化環境向け製品「Kaspersky Security for Virtualization 3.0」を発売し、2014~2015年にも新しい法人向け製品を投入する計画だ。

川合林太郎氏
カスペルスキー 代表取締役社長 川合林太郎氏

 同社の代表取締役社長の川合林太郎氏は、セキュリティ脅威の幅が広がっているために“ウイルス対策ソフト不要論”が出ていることに対して、「この議論は新しいセキュリティ製品をアピールするため、数年に一度出てくる。ウイルス対策ソフトはお守りや保険に例えられるが、お守りや保険では被害を受ける確率は変わらない。しかし、ウイルス対策ソフトを導入すれば、被害を受ける確率は確実に減る」と必要性を強調した。

対策していないとどんなトラブルでも起こり得る

 カスペルスキーは2013年4月に九州営業所を設立、九州地区での法人ビジネスが10倍伸びるなど好調に推移している。この4月には西日本営業所を開設。パートナー企業の数もこの1年で300社を超すなど、強化を進めている。

 新製品は、セキュリティ対策が充分に取られていない中小企業をターゲットとしている。川合氏はセキュリティ対策を取ることの必要性について、次のように説明した。

 「IPAが毎年発表している国民のサイバーセキュリティ対策意識という調査では、セキュリティソフトを導入している人の割合が2012年には70.7%だったのに対し、2013年は56.7%と大きく下がっている。これだけ多くがセキュリティ対策をしていない状況は、日本はハッカーにとって狩り場になってしまっているということだ」

 川合氏は続けて、「対策を取っていない企業では、サポートが切れたOSを使い続けている例もあるようだが、対策せず、サポート切れOSを使い続けると、どんなトラブルでも起こり得る。情報を抜かれる、金銭的な被害、攻撃の踏み台として使われて間接的な加害者となるなど、ありとあらゆるトラブルが起こり得る。企業はきちんとセキュリティ対策を取るべき」と必要性を強調した。

松岡正人氏
カスペルスキー マーケティング本部 コーポレートマーケティング部 部長 松岡正人氏

 小規模企業をターゲットとした製品は、2010年にも発売したことがあるが、「その時にはあまり売れなかった。そこでユーザーの声を聞いて、欲しい機能、使い勝手を実現したのが今回の新製品」(カスペルスキー マーケティング本部 コーポレートマーティング部 部長 松岡正人氏)という。

 新製品のスモール オフィス セキュリティは、IT担当者が存在しない、小規模企業がとりあえずセキュリティ対策を導入することに適しているという。特徴は、PCやモバイル端末だけでなく、ファイルサーバも対象としている点だ。ITの専門家でなくても容易に導入ができるように、複雑な設定をせずに利用できると説明。専用管理サーバを構築することなく社内ネットワーク上のPCの保護ステータスを監視できる、簡易管理機能も搭載している。

 ウイルス対策機能としては、ウイルス定義データベース、振る舞い検知、クラウドプロテクションなどの仕組みでPCやモバイル、ファイルサーバをウイルスの脅威から守る。

 使い回しが多いパスワードに対しては、各アプリケーションやウェブサイトごとに設定したパスワードを事前に登録しておけば、ログイン時に自動入力するため、覚える必要がないパスワード管理機能を搭載する。覚えにくい、複雑なパスワードを設定しておくことで、同じパスワードの使い回しの防止にもつながる。

 オンラインバンキングやオンラインショッピングなどを利用する場合に、口座番号やクレジットカード番号などの入力情報を保護する、ネット決済保護機能も搭載する。事前登録した金融機関や決済システムにアクセスした際、専用のブラウザを起動して通信データの傍受をブロックする。

 価格は、最小構成のPC5台+モバイル5台の1年版で1万2800円、PC5台+モバイル5台+ファイルサーバ1台の1年版は2万4800円、PC10台+モバイル10台+ファイルサーバ1台の1年版は3万4800円。

 カスペルスキーは従来、法人向け製品として「Kaspersky Endpoint Security for Business」などを提供している。今回の製品との違いについて「パソコンの数が10台以上、LinuxやMacを使っている、複数ライセンスが必要という場合には、従来の法人向け製品を使ってもらいたい。新製品は、とりあえず情報セキュリティ対策を導入したいユーザー向け」(松岡氏)と説明している。

 同時に発売したSecurity for Virtualization 3.0は、VMware製品に対応する仮想化環境向けセキュリティソフト。ホストごとに1つのセキュリティ仮想アプライアンスがマルウェアをスキャンする、エージェント不要の仮想化環境向けとしている。1時間程度でインストールが完了し、過剰なリソース消費などの問題を解決する。新版ではvSphere 5.5に対応し、VMware製品とより緊密に統合したという。

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