リコールによる損害を事前に回避
クルマの購入後に性能を監視でき、欠陥があるギアボックスなどの問題を自動通知することが可能だ。メーカーは、未然の防止策を講じて問題の原因を特定し、部品を再設計し、製造工程を変更し、さらに遠隔からソフトウェアを更新することも可能になる。
M2Mがいかに革命的になり得るかを一つの事例が示唆する。リリースの直後、有名メーカーのスポーツカーが高速で走行中に道路の底面に車体を擦っていることが分かった。業者は即座にクルマにサスペンションを固定するよう指示を送ることができ、同時に問題を解決し、メーカーは費用がかかって厄介にもなり得るリコールを回避した。
よりスマートなサービス

M2M技術により、ドライバーはスマートフォンや専用のウェブページから広範な特性や機能にアクセスすることが可能になる。サイドブレーキがかかっていない、あるいはドアがロックされていない場合、ドライバーは対応を促され、またクルマ自体にも安全を確保するための指示が伝達される。
また、車両が盗難に合った場合に、M2Mの仕組みが保険会社と警察に自動通知することも可能だ。リアルタイムのGPS追跡により、盗難車を取り戻す機能も備える。M2Mは、保険会社が、精緻な分析によりドライバーの行動を深く理解し、請求可能性に基づいた競争的な見積もりを提供できる。これにより、若手ドライバーは法外な保険料に悩まされることなく運転できる。
さらに、操作情報をリアルタイムの交通情報を活用する接続されたナビゲーションと統合し、最速かつ燃費効率が最適のルートを特定する情報システムのような贅沢(ぜいたく)な車内サービスも投入し始めている。
車内の電気製品をスマートフォンやタブレットに接続し、Wi-Fiを通じて、ウェブブラウザやEメールだけでなく、音楽やテレビストリーミングを楽しむことにも、こうしたシステムは応用できる。