確かに、ウェアラブルの領域では、従来はネットワークに接続されていなかったモノ(時計やメガネ)に、コンピューターが内蔵されてインターネットに接続されると考えることもできるが、どちらかと言うとモバイル機器の周辺機器として捉えるべきではないだろうか。いわば、モノというよりも人に近い領域だ。
モノや人を含むあらゆるものがインターネットに接続してやり取りを行う形態を表現するには、IoE(Internet of Everything)という言葉を使うべきであるではないかと筆者は考えている。IoEは元々Cisco Systemsが提唱した概念であるが、IoTという言葉が無制限に拡大していくことを防ぐ「防波堤」として有効かもしれない。
いずれにせよ、当面の間、IoTを議論する際には、その時点で議論の対象となっているIoTの定義を確認してから議論を進めることが、議論の拡散を防いで身のある議論をするために重要だろう。