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アマゾンのクラウド事業に心配は無用--減速の背景を考える - (page 2)

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-08-04 07:00

 そしてさらに、値下げはおそらくGoogleやMicrosoftにも打撃を与えているが、この2社のクラウドビジネスは、利益や売上高の数字に変化を与えるほど重要ではない。今のところは、だが。

 われわれは、AWSのことを心配するべきだろうか。しなくてもよいだろう。AWSは成功者であり、かつては隙もあったが、今はない。大数の法則がAWSにいくらか追いつきつつあるのだ。実際に起こっているのは、クラウド市場の成熟だ。

 以下のような変動要素を考慮しよう。

 ハイブリッドクラウドは、大手IaaSプロバイダーのための入り口である。企業はパブリッククラウドプロバイダーのさまざまな利用事例を作り出しているが、自社の既存インフラを完全に手放すつもりはない。Amazonの最高技術責任者(CTO)のWerner Vogels氏が最近のインタビューで述べているとおり、Amazonでさえ、完全にAWSに一本化しているわけではない。そうした現実を踏まえれば、勝負を決めるのは、いかにパートナーシップを結んでデータセンターエコシステムのプレーヤーになるかということだ。AWSとMicrosoftはこの面では一歩抜きんでている。IBMはSoftlayerを同社のインフラストラクチャスタックと結びつけることができる。Googleはパートナーシップの面では後れを取っている。

 ハイパースケール分野のプレーヤーはわずかしかいない。NetAppが、1つだったクラウド業界のプレーヤーを細分化したことは特筆すべき点だ。ハイパースケールのプレーヤーには、AWS、Google、Microsoft Azureという3つの大物がいる。クラウドサービスプロバイダーには、Verizon TerremarkやRackspaceといったベンダーが含まれる。クラウドサービスプロバイダーはいずれも、そのカテゴリでは重要だが、価格競争が起こるのは主にハイパースケール市場だ。

 クラウドサービスの買い手は1つのサービスにとどまらない。企業がAWS上で成長してきたことは確かだが、経済学的に見れば、ある時点でインフラストラクチャを所有するメリットの方が大きくなる。あるいは、ある企業がパブリッククラウドに十分満足していたとしても、その企業は最終的に複数のサービスプロバイダーを使うだろう。AWSは何年もの間、唯一の選択肢だった。現在では、ほかにいくつかの選択肢がある。買い手は、ビジネス的なメリットを理由にクラウドへの負荷を多様化させるだろう。

 結論は、価格競争が痛手であるという現実は新しい話ではないということだ。そしてテクノロジ業界の大半は、いずれにせよクラウドインフラストラクチャの価格設定がゼロに近づいていくことを把握している。

 しかし、AWSが新たな機能やサービスをリリースできるということは(2014年は現時点までで250リリースしている)、クラウドの山を上がっていって、新しい収入源を見つけ、ハイブリッドクラウドと連携し、そのインストールベースに適合させられるということだ。Microsoftにもそうしたインストールベースのメリットがあるし、IBMにもある。GoogleがAWSを脅かすには、リファレンス顧客を奪い取るとともに、NetAppなどのハードウェアベンダーとのパートナーシップをさらに構築する必要がある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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