中古車のオークネット、データベース基盤刷新--業務系や基幹系など全面的に

NO BUDGET

2014-07-31 18:22

 オークネットは、中核である中古車・バイク事業の各システムを支えるデータハブを更新すると同時に、業務系と基幹系を含めた全面的なシステム刷新に着手した。日本オラクルとアシストが7月31日に発表した。

 オークネットの中核である中古車・バイク事業では、会員企業がオークションに出品するためのウェブサービスなど約10のフロントシステム、車両に関する情報を管理する業務系システム、請求処理や会員情報などを管理する基幹系システム、自社と全国107会場で開催される他社のオークション情報など、24時間365日リアルタイムに変動する情報を迅速に同期化、最新化するために「Oracle Database Standard Edition(SE)」を利用したデータハブシステムを設置し、システム間のデータを連携させてきた。

 データハブは構築から6年が経過しており、ハードウェアが老朽化するとともに、460万台もの車両データや過去10年にわたり蓄積された膨大なオークション関連データに繰り返し行われる参照、更新操作に伴い性能面で課題が出始めていたという。

 データハブと連携し、会員情報や請求情報を管理している基幹系システムも構築から8年が経過し、ニーズに応じた機能拡張が難しくなっていたため、オークネットではデータハブだけでなく、業務系と基幹系も含めた全面的なシステム刷新を検討した。

 データハブに変わる新たなデータベース基盤には、今後もサービス拡大に伴い、増加が予定されているフロントシステムとの複雑なデータ連携や応答性能、今後5年のハードウェア保守費用などのコスト面も含め検討した結果、「Oracle Database Enterprise Edition(EE)」を基本にしたデータベース専用機「Oracle Database Appliance」を採用する。

 Database Applianceに集約することで、設置スペースを20ユニットから4ユニットに削減し、現在利用しているデータセンターの年間コストを300万円削減できる見込みだ。既存システムのクラスタリングソフトウェアや高性能な共有ストレージをDatabase Applianceで提供するクラスタリングソフトウェア「Oracle Grid Infrastructure」と「Automatic Storage Management」に置き換えることで保守コストを50%削減できると期待している。

 Oracle DB EEのオンラインでのテーブルやインデックス再作成機能で性能維持と可用性を両立できるという。パーティション/パラレル機能により、データ検索や処理スピードを向上させられると説明する。

 「Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack」と「Oracle Enterprise Manager Tuning Pack」の利用でOracle DBの稼働状況が可視化され、運用とチューニングが容易になるとしている。「Oracle Advanced Compression」で肥大化したデータを圧縮することで、ディスク領域の改善と性能の向上を図れるという。

 オークネットでは、システム刷新の第1弾として、データハブ上のデータを約2カ月かけて移行、検証した後、8月14日にDatabase Applianceにシステムごと完全に移行、統合し、本稼働を開始する。その後、会員情報や請求処理を担う基幹系システム自体の刷新とあわせ、Database Applianceにデータを統合していくという。

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