IBMは米国時間7月31日、イタリアのセキュリティベンダー、CrossIdeasを買収した。同社はクラウドおよびオンプレミスコンピューティングにおけるアイデンティティ管理とアプリケーションやデータへのアクセス管理を通じて、企業コンプライアンスを強化するツールを提供している。買収条件は公表されていない。IBMの最近の買収例では2013年のTrusteeの10億ドルの大型買収が知られているが、2011年創業のCrossIdeasを買収するなど、このところセキュリティ事業強化に余念が無い。
CrosIdeasは、顧客企業における詐欺、職務権限の不整合、業務上の人的ミスの削減に取り組んできた。同社のシステムの特色は、全社的に利用されるアプリケーションのアクセス権限を明確化したアイデンティティ管理を可能にするインテリジェンスダッシュボードだ。監査役、リスクマネージャー、コンプライアンスマネージャーは、これによってアクセスリスクや職務分掌を評価できる。
IBMはセキュリティ専業ベンダーの犠牲の上に企業向けセキュリティ市場で躍進してきた。Gartnerが最近示した数字をみると、2013年の売上高は前年比20%増の11億4000万ドルで、SymantecとMcAfeeに次いで世界3位の売上規模になった。IBMが2014年初めに発表した「IBM Trust Protection System」と「Critical Data Protection Program」は、過去2年間における社内投資とTrusteer、Q1 Labs、Guardian、Ounce Labs、Watchfire、Fiberlink/MaasS360といった企業買収の成果の集大成であった。また、IBMは企業に対するトラフィック攻撃を回避するために、コンテンツディストリビューションネットワークのAkamaiと提携している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。