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求む女性起業家--波瀾万丈の人生とやりがいを聞く - (page 2)

末岡洋子

2014-08-09 08:00

女性らしさは武器

 財務面で苦労したこともあり、ホテル向けビジネスと平行して化粧品会社のキャンペーンポーチなどを作る製造拠点を中国に持った。それでも、苦しい時はあった。年子で2人産んだ子どもたちが幼稚園の頃だ。母やお手伝いさんなどの力を借りながら、7時に帰宅し、仕事もこなした。東京や中国への出張も変わりなく行くというという日々が続く。だが、当時新たに雇った営業担当者の人事ミスが顕著になり、赤字がどんどん増える。

 「子どもはまだ年長、年中の頃で、子育ても真っ盛り。そんなときに赤字幅が増えて、今度こそだめだと思った。ここまでだ」――そんなときに救ってくれたのが、サラリーマンの夫だった。数億円規模の借金の保証人になってくれたことで、一から出直すことができた。借金返済のために、信用状ベースのLC(Letter of Credit)をやめ、銀行保証のないTT(送金ベース)に切り替えた。中国の取引工場に頭を下げたところ、10社中8社が快く応じてくれた。国や文化の違いを超えた人情に涙が出た。

 波瀾万丈な人生かもしれない。だがパートナーを得て子どもにも恵まれた。それは仕事を制限する存在というより、仕事を続ける支えにつながっているようだ。プライベートの割り切りについて、山川氏は次のように語る。「結婚と出産を機に、ゴルフや飲み歩きなどの好きなことは止めた。人生は仕事に捧げ、趣味は家事と子育て、と決めた」と山川氏は振り返る。

 会社員になろうと思わなかったのか?と聞くと、「考えもしなかった」という答えがかえってきた。「毎朝出かけて同じ時間に帰宅、言われたことをする、というのが嫌だった。貿易がしたいなら起業の前に貿易関連の会社に2~3年働いてノウハウを蓄積するという(ステップを経る)のがよかったのかもしれない」といいながらも、後悔はみじんも感じられない。

 「いつもいろんな問題が起きて、毎回どうすればいいんだろうと身を以て体験してきたから、あの窓口にいけば教えてくれるというように解決の方法をわかっている。ある意味、私ほどさまざまなことを知っている人はいないかも」と自信を持ち始めたのぞかせる。

 山川氏の潔い口ぶりからは「女性だから」という甘えはみじんも感じられない。だが、「女性らしさ」は大切な武器と思っているようだ。イヴレスでは、来客がある日は女性社員はスカートをはく。「セクハラでもなんでもない。女性は女性らしい格好で男性に対応するべきという私のポリシー」と説明する。「男性に勝つ・負けるではなく、女性らしく生きていきたい」と続ける。

 50歳を過ぎたこともあり、少し前から会社の将来について考えることが増えたという。「100年、150年続く企業にしたい」と目を輝かせる。その一環としてIPOの準備をはじめた。きっかけはある監査法人の勧めから。「(IPOを)狙える位置にある」と聞いて、「それならば」と、売り上げを伸ばし、組織面でも体制を整えることにした。

 だが、目標はIPOではなくそのレベルに達することにある。「創業者がいなくなってもブランドが残っている、誰もが知っているブランドではないが、ニッチなところで”これはいいブランド”と紹介されるようなポジションを目指したい」。その目標をどうやって達成するのかが目下の課題のようだ。

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