NECソリューションイノベータは8月4日、性別、年齢層自動推定システム「FieldAnalyst」の最新版の販売を同日から開始すると発表した。次世代のインストアマーケティングを実現するとしている。
最新版は、対応OSを拡大し、カメラの接続台数やIPカメラのラインアップを拡充したほか、FieldAnalystのソフトウェア部品を海外でも利用できるようにする。
多くの商業施設で実施されてきた目視による来場者層の調査では、カウントの判断基準が計測する個人に委ねられていることにより、結果のばらつきの発生や、計測できる期間が限られてしまうなどの課題があった。
FieldAnalystでは、定点カメラで撮影した人物の顔画像から特徴をリアルタイムに分析し、人物の性別・年齢層を自動的に推定し、計測結果を出力することが可能。
個人情報保護に配慮し、推定に使用した画像を蓄積しないのが特徴。2007年の発売以来世界10カ国以上での採用実績があるという。国内外の大型商業施設やショッピングセンター、イベントホールなどにおいて、客層分析ツールとして活用されている。
今回の最新版では、より多様なシーンで活用できるよう、対応OSや対応カメラの拡充、海外への対応を強化した。主な強化点は以下の通り。
・FieldAnalyst for Gate/FieldAnalyst for Signageの対応OS拡大
従来のWindows7(32ビット)対応から、Windows7(64ビット:32ビット互換モードで利用可)/Windows8/Windows Server 2012にも対応を拡大。これにより、導入環境に柔軟に対応できるほか、常時稼働を希望するユーザーにも、安定的に稼働する環境を提供することが可能となる。
・FieldAnalyst SDKの対応OS拡大
従来のWindows7(32ビット)から、Windows7(64ビット)/Windows8/Windows Server 2012に加え、Red Hat Enterprise Linux 6にも対応OSを拡大。これにより、人物検出モジュールを基本とし、顔検出モジュール、性別年齢推定モジュール、笑顔認識モジュール、顔装着物認識モジュールを組み合わせられるなど幅広い環境で各モジュールを使用できる。また、今後組み込み用途向けに、ARMアーキテクチャで動作するLinuxやAndroidにも対応する予定という。
・IPカメラの最大同時接続台数を大幅に増加
FieldAnalysを導入した1台のPCに対し1台のカメラを接続する構成から、1台のPCに対し最大20台のカメラに接続することが可能となった(FieldAnalyst for GateおよびFieldAnalyst for Signageのみ対応)ほか、IPカメラの対応メーカーを拡充。これにより、導入コストを抑え、PCの設置スペースを大幅に改善する。
・FieldAnalyst SDKにグローバル版を追加
FieldAnalyst for Gate、FieldAnalyst for Signageに続き、ソフトウェア開発キットFieldAnalyst SDKにもグローバル版を追加。グローバル版は、日本人以外の性別・年齢層も推定するため、国内外問わず、幅広い環境でFieldAnalystのソフトウェア部品を利用できるようになる。
「FieldAnalyst for Gate」画面イメージ(NEC提供)
価格は、来場者分析システム「FieldAnalyst for Gate」とデジタルサイネージの視聴効果測定システム「FieldAnalyst for Signage」が40万円、顔認識ソフトウェア開発キット「FieldAnalyst SDK」が250万円(いずれも税別)となっている。今後3年間で、全メニューを合わせ、4500ライセンスの販売を目指す。