関西電力グループの関電システムソリューションズ(KS-SOL)と米FireEyeは8月4日、情報セキュリティ分野において包括的なパートナーシップを締結したと発表した。大阪外国企業誘致センターの支援を受けて大阪に拠点を設置するとともに、西日本市場における事業を拡大することも併せて明らかにしている。
KS-SOLが持つ人材や豊富な経験、技術力とFireEyeが持つセキュリティ製品やサービスを組み合わせることで、標的型攻撃などのサイバー攻撃の脅威から関西の企業や組織を保護し、知的資産の漏えいを防ぐとしている。
FireEyeは、ウェブ経由と電子メール経由の標的型攻撃に加え、ファイル共有に潜むマルウェアやセキュリティリスクを検出、分析、防御策を提供する製品を日本を含め世界で提供する。同社が2013年に発見したゼロデイ攻撃の件数は11件に上り、2014年に入ってからも、5月の連休中に話題になったInternet Explorer (IE)の脆弱性の発見を含め3件のゼロデイ攻撃を発見し、対策を講じてきた。
FireEyeが世界中で確認した高度なサイバー攻撃を解析した「脅威レポート」によると、日本は世界で4番目に攻撃リスクの高い標的国。日本国内では、最も高い攻撃対象になっている産業として化学産業を含む製造業を挙げており、そのマルウェアの検知率は89%(FireEye調べ。製造業者におけるマルウェア検知率)という。
中でも大阪府は製造業の事業所数が全国で最も多く、さらに医薬製造品の出荷額も全国シェアの16%を占めているなど標的型攻撃のターゲットとしてのリスクが高いとされる。
KS-SOLでは、関西電力の基幹系システムを半世紀にわたって支えたというノウハウによって得た信頼で、情報システム全体におけるコンサルティングから開発、構築、保守、運用およびアウトソーシングに至るまで一貫したサポート体制を整え、関西、西日本の顧客にFireEye製品を提供するとのこと。
FireEyeの製品やサービスを自社の情報セキュリティ向けラインアップの中核に位置づけ、相互連携を図るとしている。