デジタル化経済で勝ち残るには、全社的な統一された戦略が有効--タタ提言

NO BUDGET 田中好伸 (編集部)

2014-08-06 18:33

 経済の“デジタル化(Digitalization)”がワールドワイドで進行しつつあるが、それに対して企業はどのように対応していけばいいのかが問われている。

 この課題に対して、インドのIT大手ベンダーであるTata Consultancy Services(TCS)は、7月28日に発表した「The Road to Reimagination:The State and High Stakes of Digital Initiatives」というレポートの中で「デジタルイニシアティブのすべてに適用する全社的に統一された戦略を持つことが求められている」と提言している。

 同社は、米Forbesが選出するGlobal 2000の企業を調査。これからのIT分野で変革の原動力となると期待されている、アナリティクスを含むビッグデータ、クラウドコンピューティング、“モノのインターネット(Internet of Things:IoT)”に代表されるパーベイシブコンピューティングとモバイル、ソーシャルメディア、ロボティクスと人工知能(AI)という5つの技術をどのように使い、“Digital Reimagination(デジタルな根本的改革)”を進めているのか、中核となるビジネスモデル、製品とサービス、ビジネスプロセス、職場を変革しているかを調べた。

 北米や欧州、中南米、アジア太平洋地域の13の産業に属する大規模企業のエグゼクティブ820人を対象に、これまでに実施したデジタル関連の投資、得られた成果、将来の期待などを聞いた。回答企業の平均年売上高は258億ドルとなっている。

 調査結果を踏まえて、かつて有力だった多くの企業が辿った道を避けるため、企業には“デジタルな根本的改革”に取り組んで、コアとなるビジネスモデル、製品とサービス、ビジネスプロセス、職場を変革することが求められていると提言している。

 回答企業の8%はすでにデジタル戦略として取り入れていており、また3分の1近くは“デジタルな根本的改革”を2020年までに戦略にすることが調査から明らかになっている。

 さまざまな産業と地域の企業が、2014年にはデジタル化への取り組みや新規構想戦略(TCSは“デジタルイニシアティブ”と呼んでいる)に平均1億1300万ドルを投資することを計画しているという。企業の70%が、今後10年間に成功を収める上で、この投資が不可欠であると考えていると分析している。

 調査の中でTCSは、企業をリーダーとフォロワーに分類、リーダー企業のデジタルイニシアティブは、フォロワー企業と比較して10倍以上の売り上げにつなげたと定義している。このリーダー企業の57%は、デジタルイニシアティブのすべてに適用する全社的に統一された戦略を有しているが、この比率はフォロワー企業では40%に留まるという実態を明らかにしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]