Appleは、iPadはもちろんのことMacについても、近い将来に大規模企業と中規模企業で普及が拡大すると考えている。最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏によると、iPadは既にFortune Global 500企業に浸透しているという。しかしCook氏は、「コマーシャルセクター」におけるiPadのシェアは76%だと述べた。だが、純粋な「ビジネス」セグメントでのiPadのシェアは20%という低い数字だ。Cook氏は、これがIBMとMobileFirstパートナーシップを締結した理由だと説明した。同氏は「ビジネス分野での大きな成長」を予想している。
このことは、先週発表したIBMとの提携を決断した根拠の1つだった。それを可能にする主な要因は、より良い市場開拓だと考えている。IBMがそれをもたらしてくれることは間違いないだろう。しかし、さらに重要なのは、MobileFirstを念頭にアプリが開発される(ようになる)ことだ。すべてではないにせよ、これまでiPad向けに記述されたエンタープライズアプリの多くは、基本的にデスクトップ版から移植されたものであり、モバイルの利点を活用しきれていない。
そのため、当社が第一級の企業と考えているIBMとともに、これを企業に提供できることをうれしく思う。それが企業の売り上げに及ぼす影響を考えると、とてつもなく大きなチャンスだと心から信じている。
Appleは、このビジネス市場におけるiPadのシェアが20%から60%に拡大すると予測している。これは約3億5000万台規模の市場だ。
AppleはiPadで市場をリードしているが、この戦略の強みはAppleの「エコシステム」にある。Apple製品、すなわちMacの強固な統合を表すコンピューティングソリューションだ。このエコシステムには、iOS(iPadと「iPhone」のモバイルプラットフォーム)や「OS X」(MacコンピュータとMacサーバ)、高品質アプリケーション、「iCloud」、Appleの高度な統合開発環境(IDE)が含まれる。
MobileFirstイニシアチブによって、企業顧客を引きつける大きな機会が生まれる。それは、既存のPCベースの社内アプリ、サービス、データを新しいAppleプラットフォームへ移行させることだ。
この豊富なテクノロジ群の主な標的は、現在、『Windows』マシン内でApple製品を使っている潜在的な『乗り換え』顧客だ。何と言っても、Appleは世界最大級のWindows向けソフトウェア開発企業だ。WindowsユーザーはiOSプラットフォームの主要なユーザーベースだが、AppleはそれらのユーザーにMac陣営に加わる新しい理由を与え、エコシステムの完全なメンバーになってもらいたいと考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。