否定的な意見が多く、思うような結果を残せなかった「Windows Vista」との類似性を指摘する人がいるとすれば、スタイルと美的感覚についてはそう言えるかもしれない。しかし、OSの動作自体はAppleの専用ハードウェア上で稼働する他のOSと同程度に高速かつ安定している。
まだ詳細を述べていないものにクラウド、具体的には「iCloud」がある。iCloudはすべてをまとめあげ、OS全体に力を与え、システム(とユーザー)が必要とした時にiPhoneから情報を引き出してくれる。「Finder」のサイドバーにおける新たな選択肢「iCloud Drive」はまさにそういった機能を有しており、ようやく今回のソフトウェアリリースで搭載された、待ち望まれていた機能だ。
iCloudには、既に多くのアプリがデータを格納している。なお、iCloudが最初にリリースされた際には、こうしたことはできなかった。当時、格納されるのは写真と連絡先、そして電子メール(ユーザーが指定していれば時折というかたちで)に限られていた。
ディスク自体の移行は一方通行のプロセスであるため、元には戻せない。しかし、「Windows」マシンとのドキュメント共有といった、ある種の利点もある(ただ完全にシームレスではない)。アプリからのデータはサンドボックス化され、個別のフォルダへと振り分けられる。iCloudを有効にしたWindowsを用いれば、「Microsoft Word」などのサードパーティー製アプリでも比較的簡単にデータにアクセス、保存できるようになる。こうしておけば、MacやiPhone、iPadのPagesでオープンすることも可能になる。
まとめ
Mac OS Xは数々のバージョンアップを繰り返してきているうえ、長い間使われてきている機能とアプリが存在している。それにもかかわらず、Yosemiteは今までに使ったことのないOS Xのように感じられる。
ユーザーは信頼できるiPhoneを手元に置いている限り、どこにいてもインターネットに接続できる。また、より優れた検索や機能、通知、カスタマイズ可能なサイドバーウィジェット、5歳の子どもがデザインしたようには見えないアプリといったもので生産性を向上させられるようになる。Yosemiteのインターフェースは見栄えが良く、目に優しい。さらに、テキストメッセージがデスクトップから送信できるようになっているため、プラットフォームを意識せずとも友人や家族、同僚、仕事の関係者に返信できる。
また、出先での作業中に機器を切り替える必要が出てきた場合、iPhoneやiPadのロック画面を上に向かってスワイプするか、Macのドックにあるアイコンを使って切り替えられる。
Macは「OS X 10.9 Mavericks」で仕事関連の機能を充実させ、iOSとの統合に向けて大きく前進した。Yosemiteはインターフェースを豪華にし、細かい制御を可能にし、デスクトップとモバイル機器をシームレスにつなげるようにすることで、Macをより使いやすい製品に仕上げている。
常にインターネットに接続でき、生産性が向上する。ビジネスユーザーにとってこれ以上のものはないだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。