8月5日に発表されたトヨタ自動車(7203)の第1四半期決算は好調と言える内容だった。ただし、通期(2015年3月期)予想の上方修正はなかった。
トヨタ自動車の4~6月期は、好決算
トヨタの4~6月業績は、米国・欧州の販売が伸びて好調だった。消費増税の影響で国内販売が減少、また、タイで自動車販売が落ち込んだ影響もあったが、それを補って四半期で過去最高の営業利益を計上した。
トヨタ自動車の連結税前利益

(出所:同社の決算説明会資料)
トヨタは第1四半期で、連結税前利益7718億円(前年同期比+6.6%)を稼いだ。
通期予想(2兆3900億円)の32.3%を第1四半期だけで稼いだわけだ。通期予想を上方修正して当然の高い進捗率だが、トヨタ自動車は通期予想を据え置いた。
今期は、将来のための先行投資で利益が伸びない「意志ある踊り場になる」という期初の説明を繰り返した。
消費税引き上げによる国内販売落ち込みの影響はだんだん小さくなってきており、7月にはトヨタの国内販売が前年並みにまで戻っている模様だ。タイは、販売補助金終了の影響で一時的に自動車販売が落ちているが、今後はその影響が薄れ、販売は回復していくと考えられる。楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト窪田真之氏は、トヨタの通期業績予想は、中間決算が出るころまでに上方修正されると予想している。
なお、5日時点のIFISコンセンサス予想によると、トヨタの今期連結税前利益は、2兆7340億円(前年比12%増)となる。二桁増益で二期連続の最高益更新となる。
第1四半期の実績が出たことで、コンセンサス予想が達成される確度は一段と高くなったと言える。