一方、佐藤氏は、Chromebookでも同様に、スピード、シンプル、セキュリティという3点が特徴であるとし、Chromebookにおけるこの3つの特徴の意味を説明した。
スピードという点では、起動してから使えるまでの時間が10秒以内に使えるようになるという点を紹介。「ChromebookはChromeブラウザを動かすために作られている製品。より快適に動かすことができる」としたほか、セキュリティについては、サンドボックスや自動更新の機能があることを説明した。
さらに、Chromebookの導入ポイントは、「管理性」「セキュリティ」「継続性」の3点にあることを強調し、各要素に触れた。
管理性としては、個々の端末での1台単位での管理性が優れていることに加えて、1000台以上という大量のChromebookを管理するための「管理コンソール」を提供することで、ユーザー設定、公開セッションの設定、端末の設定など5つの設定が、管理コンソールから一元管理できるという。
例えば、ローカル環境のデータを一斉に消去するといった機能も用意。営業部門だけをこの機能の設定対象にするといった柔軟性を持った管理も可能だ。
また、特定のアプリだけをダウンロードできたり、不要なアプリをダウンロードできないように設定するといったことも可能になる。

セキュリティについては、標準でウイルス対策ソフトが事前に入っており、購入しないで済むこと、ネットに接続されるとこれが自動更新され、常に最新情報になっていることを特徴として挙げた。そのほか、「Chromeブラウザがセキュリティ面で他社製品と異なる点は、ハードディスクのデータ暗号化に加え、仮に不正に利用された場合でも確認付きでないとブートできないこと、復元モードにより簡単なコマンドで初期状態に戻すことができる点が特徴」と述べ、「多くの人が求めるセキュアな機能は、標準機能と管理コンソールでほぼ対応できる」と胸を張った。
継続性としては、既存資産の継承をあげる。
「Chromeのリモートアクセス機能により、ほかのPCで動作させている環境をChromeBook上で表示できる。Windows上で“Internet Explorer”を使っている環境をそのままChromeBookで再現。さらに、仮想化環境では、シトリックスの“Receiver”やVMWareの“Horizon View”を利用して、Windows 7の環境などがそのまま利用できる」とした。
さらに、公共施設などの共有端末として利用する点でも、Chromebookは威力を発揮するという。不特定多数の人が利用することから、30分を経過したら全データを消去するといった設定を管理コンソールから実施したり、特定のアプリを全画面表示して、それ以外のアプリを使わせないといった用途にも利用できるという。
最後に佐藤氏は、「Chromebookで何が変わるのか」と語り、「従来のコンピュータで必要されていた煩雑な設定や運用が必要なる。それは、セキュリティ機能や暗号化機能が、標準機能として組み込まれていること、そして、OSがシンプルに構成されているためだ。また、Chromebookは、オフライン環境では使えないというのは、古い情報。1年前から、Chromebookはオフライン環境でも使えるようになっている。課題は解決されている」とした。
そして、「Chromebookは、タブレット端末を置き換える可能性がある。つまり、クラウド時代に最適なデバイスがChromebookである。購入コスト、管理コストを考えると、3年間で75%のコスト削減が可能になる。次の選択肢としてChromeBookの導入を考えてほしい」と呼びかけた。