OpenSSLのソフトウェアバグであるHeartbleedが4月に発覚して以来、証明書の失効確認をめぐる議論が高まってきた。こうした問題ではGoogleの対応が早いことが多いが、MozillaはGoogleの手法に準じて証明書の失効確認方法を改善する計画を公表した。
Heartbleedが厄介視される理由の1つは、セキュリティ対策を施している多数のWebサイトがTSL/SSL証明書の失効と再発行を余儀なくされることだ。これまで公開鍵基盤(PKI)における証明書失効確認には、証明書失効リスト(CRL)とオンライン証明書ステータスプロトコル(OCSP)が使用されてきたが、いずれのシステムも問題を抱え脆弱性の不安を排除しきれなかった。
OCSPはCRLの問題に対処するために開発されたが、リクエストで遅延が生じるため、認証済み証明書をWebサーバにキャッシュして応答時間を短縮するOCSP Staplingが開発された。ただ、ステープリングされた応答がない場合や、OCSPとCRLによる確認がともに機能しない場合にWebページがロードされるという問題を抱えていた。
この状況に対し、ステープリングされたOCSP応答がない場合は証明書の失効確認が失敗したものとみなすOCSP Must Stapleという拡張機能が提案された。Mozillaはこの方法を支持しており、この利用を推奨し実装するとしている。証明書を発行するSymantec、GoDaddy、Comodoなどが参加する業界コンソーシアムであるCA Security Council(CASC)も賛同している。
Googleはこれに加えて、セキュリティ上実際に問題となるもののみを選択した証明書の失効リストであるCRLSetを、通常のアップデート手法で更新配布している。Mozillaも、OneCRLという名前で同様の仕組みを作る計画だ。これらをOCSP Must Stapleと組み合わせると、セキュリティはかなり強固となる。一方、MicrosoftはWindows Vista以来CRLSetsに似た手法を採用している。今後はCRLSetsの手法に賛同しているCASCを通じた標準化が望まれる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。