タブレット端末を70%超の企業が検討か--IDC調査

NO BUDGET

2014-08-12 06:30

 IDC Japanは8月11日、ビジネス市場におけるタブレットの利用実態調査と分析結果を発表した。それによるとタブレットは14.8%の企業に導入されており、産業分野別でみると流通・小売、卸売およびサービス業で進んでいる。

 こうした業種では従業員の少ない中堅中小企業が多く、タブレットなどの端末を新たに導入する場合にも小さい組織の方が意思決定が早いという。そのため、比較的早い段階で導入が決まる傾向があり、これらの産業分野でタブレットの導入率が高くなる理由と考えられるという。

 調査・分析結果の主な概要は以下の通り。

  • ビジネス市場におけるタブレット導入率(企業数ベース)は14.8%。導入が進んでいる産業分野は流通・小売、卸売およびサービス
  • タブレットの導入を検討している企業は約276万社と推定
  • タブレット導入済み企業の70%は今後の増設で同様のOSを搭載した機種を選択する

産業分野別タブレット導入検討状況、タブレット導入済みの企業


 今回の調査は2014年5月にウェブで実施し、一次調査で得られた回答は1万5618件、さらにタブレットの導入企業/未導入の動向を把握するためIT管理者を中心とした二次調査を実施し、1000社から回答を得た。調査結果から推計したところ、タブレットを検討している企業は約276万社であり、この数字から国内の70.9%の企業(公共/公益、政府自治体、教育を除く)がタブレットの導入を検討していると推定される。

 従業員規模や業務アプリケーションのウェブ化へのシフト状況を考慮し、タブレット導入に有望な産業分野は、サービス、製造、流通/小売りであるとIDCでは見ている。製造は、現時点ではタブレットの導入が遅れているものの、今後タブレットの導入検討が進む産業分野でもあるという。

 製造は1企業あたりの従業員が多いことや、自社サーバ経由でのウェブ系アプリケーション導入率が高いことから、業務アプリケーションをタブレットで利用する場合でも、プログラム修正を社内で実施するのが比較的容易な環境にある分野だとしている。

 また、タブレット導入済み企業に、今後タブレットを増設する際の機種やベンダーを尋ねたところ、70.0%の企業が導入されているOS搭載のタブレットと同様の製品を今後も導入するとしている。企業でタブレットを選定する際には、動作検証やシステムとの親和性、OSの安定度などをチェックするための評価に工数を要する。

 このことから、タブレット導入済み企業は導入している製品を今後も購入することを考えており、評価用機種を含めた1台目の機種選定が、その企業におけるタブレット展開において最も重要であることが明確となった。

 同社PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は以下のように解説している。

 「企業でのタブレット導入は、従来はプレゼンテーション/商品説明などの用途が中心であった。今後タブレットは、Windowsタブレットを中心に基幹システムへの接続も想定した導入が進む可能性が本調査から見えてきている」

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