松岡功の一言もの申す

HPが示唆するサーバベンダーの生きる道 - (page 2)

松岡功

2014-08-13 12:00

ワークロード特化型の製品展開に注力

 宮本氏は4つのワークロードについて説明した上で、「今後、サーバが求められる領域はこの4つのワークロードに収れんしていくとHPでは見ている。したがって、これからはこの4つのワークロードに求められるニーズにきめ細かく対応した製品のラインナップに注力していく。これがHPの新たなサーバ事業戦略だ」と強調。さらに冒頭の言葉を決め文句に使った。

 宮本氏が言う通り、サーバ分野では多様化するワークロードにどう対応するかが新たな課題となっている。例えばIBMは、ワークロードを「トランザクション/データベース処理」「ビジネスアプリケーション」「アナリティック」「ウェブ/コラボレーション」の4つに分類し、それらの最適化を実現した統合型システムなどを展開している。

 ワークロードの分類はベンダー各社で表現が異なるところもあるが、すべてのワークロードにおいてきめ細かく特化した製品を展開していくと明言しているのは、今のところHPだけだろう。それが成功を収める戦略かどうかはまだわからないが、サーバベンダーとしてのこだわりがひしひしと伝わってくる取り組みではある。

 最近のサーバ市場では、大規模クラウドサービス事業者がデータセンターの効率運営を図るためにサーバを自ら設計し、受託製造会社に数万台単位で発注している動きも目立ってきている。そうした中で、HPの新たなサーバ事業戦略は、これからのサーバベンダーの生きる道を示唆しているのかもしれない。


HPの新たなサーバ事業戦略

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]