ワークロード特化型の製品展開に注力
宮本氏は4つのワークロードについて説明した上で、「今後、サーバが求められる領域はこの4つのワークロードに収れんしていくとHPでは見ている。したがって、これからはこの4つのワークロードに求められるニーズにきめ細かく対応した製品のラインナップに注力していく。これがHPの新たなサーバ事業戦略だ」と強調。さらに冒頭の言葉を決め文句に使った。
宮本氏が言う通り、サーバ分野では多様化するワークロードにどう対応するかが新たな課題となっている。例えばIBMは、ワークロードを「トランザクション/データベース処理」「ビジネスアプリケーション」「アナリティック」「ウェブ/コラボレーション」の4つに分類し、それらの最適化を実現した統合型システムなどを展開している。
ワークロードの分類はベンダー各社で表現が異なるところもあるが、すべてのワークロードにおいてきめ細かく特化した製品を展開していくと明言しているのは、今のところHPだけだろう。それが成功を収める戦略かどうかはまだわからないが、サーバベンダーとしてのこだわりがひしひしと伝わってくる取り組みではある。
最近のサーバ市場では、大規模クラウドサービス事業者がデータセンターの効率運営を図るためにサーバを自ら設計し、受託製造会社に数万台単位で発注している動きも目立ってきている。そうした中で、HPの新たなサーバ事業戦略は、これからのサーバベンダーの生きる道を示唆しているのかもしれない。

HPの新たなサーバ事業戦略