8月11~15日の間、特別編「クイズで学ぶテクニカル指標」をお届けします。第1回、第2回に続き、出来高を読む問題です。
(1)まずは、クイズです。
<クイズ>D社株チャート、売り・買い、どっち?

(注)楽天証券経済研究所のチーフストラテジスト窪田真之氏が作成
(2)出来高変化の読み方
まずは、8月11日、12日に学んだことを復習しよう。
- 株価上昇時の出来高急増は「人気上昇」を表す。
- 株価下落時の出来高急増は「売り急ぎ」を表す。
それでは、上記を踏まえた上で、D社の投資判断を考えてみよう。
(3)クイズの答え
今日のD社株の投資判断は「買い」だ。D社は、7月に悪材料が出て、株価は急落した。人気がなくなり、出来高は低水準だ。8月に入っても、薄商いの中、じりじりと株価下落が続いていた。そこで、最後に出来高が急増しつつ急落していた。
D社を保有する投資家が、薄商いの中でじりじり下がり続ける株価に耐えられなくなって、一気に大量に投げ売りしたと考えられる。
売りたい人が一気に投げ売りして、株価が大幅に下がってしまった後なので、ここからは売り物が少なくなる可能性が高いといえます。急落分を取り戻すテクニカルリバウンドが期待できる。
(4)出来高増加を伴う株価下落があった時の投資判断
高値圏で起こった時は「売りシグナル」、安値圏で起こった時は「買いシグナル」となる。
(テクニカル指標を利用して投資判断する場合の注意事項)
チャートに基づく投資判断は、100%当たるものではない。
ただし、チャートのパターンを見ることで、統計的に今後上がることが多いか下がることが多いか判断することは可能だ。統計的に、7割の確率で上昇するチャートのパターンがあれば、それは立派な買いシグナルだ。3割の確率で下落しても、それは当然だ。100%当たるチャートは存在しないのだから。
チャートのシグナルを見て売買するのは意味あることだ。7割の確率で上昇するパターンが出たら買いを実行、上昇すれば利益が得られる。もし外れて下がったら、さっさと損切りするだけだ。同じパターンのチャートで勝負し続ければ、長期的には利益を稼ぐことができる可能性がある。
過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。