アルゼンチンのブエノスアイレス州ティグレ市は、街中監視システムに顔認証技術を導入し、機能を大幅に強化した。技術を提供したNECが8月18日、発表した。
アルゼンチン ティグレ市の街中監視システム オペレーションセンター
このシステムの運用は2012年にNECが買収した現地企業のGlobal Viewが手掛けている。2013年には、NECアルゼンチンとティグレ市とで、NECの「Safer Cities」のさまざまな技術に関して広く評価・実証を行う覚書を締結した。今回のシステム強化はこれに基づくもの。Global Viewの運用ノウハウとNECの先進技術を組み合わせた。
NECの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証技術ベンチマークテストで、3回連続して第1位の評価を得た。高速性と精度の高さを売りにしている。ティグレ市の街中監視システムでは、この顔認証技術を利用して、カメラの映像からリアルタイムに切り出した膨大な量の顔画像データを分析し、必要とされている個人の写真データベースと照合する。
これにより、同システムは、鉄道や船のターミナル駅などに設置したネットワーク対応カメラの映像と膨大な写真データベースをリアルタイムに比較、照合できるようになり、今後、検察、司法機関、公共福祉団体などにおいて、行方不明者の捜索などに利用する。
また、同じく覚書に基づいて、NECは、犯罪につながりやすいバイクでの2人乗りや、安全のためのノーヘルメットの検知、不審な行動をする車両の検知、自動車や二輪車などのナンバープレートの画像認証などを実現する独自技術を開発、提供した。
加えて、過去の犯罪発生場所を地図上に表示する犯罪発生マップも開発、提供する。これらの最新技術を街中監視システムに新たに追加、統合し、街中のさらになる安全対策を実現しているという。
また、2014年6月に発売した、事件や事故の発生や予兆を検知するシステム「MAG1C(Multi AGencies, 1 Concert)」の活用により、機能を拡張していくという。