松岡功の一言もの申す

オラクルは「サン」を生かせているか - (page 2)

松岡功

2014-08-20 06:30

ExadataにSPARC/Solarisが採用される日

 こうしてみると、オラクルはサンの技術資産を着実に生かし、さらに磨きをかけているようだ。SPARC/Solarisを搭載したサーバもハイエンドクラスの「SPARC SuperCluster」をはじめとして製品ラインアップを揃えている。

 ただ、以前から気になっていたのは、同社が「エンジニアドシステム」と称してここ数年、非常に注力している垂直統合型システムの代表的製品である「Exadata Database Machine」にSPARC/Solarisが採用されていないことだ。Exadata Database Machineは基本構成としてプロセッサにインテル製品、OSにLinuxを採用しており、サーバ市場ではハイエンドLinuxサーバにカテゴライズされている。

 この点について問われた飯尾氏は、「エンジニアドシステムは当初からユーザーニーズに基づいた製品コンセプトが認知されて広がってきた。一方でSPARC/Solarisを搭載したSuperClusterなども多様な用途で広く利用されつつある。それぞれに棲み分けもできつつあり、当社としては幅広くユーザーニーズに対応できていると考えている」と答えた。

 ただ、Exadata Database Machineの性能をさらに高める上での選択肢として、SPARC/Solarisの採用もあり得るのではないか。それもさることながら、代表的製品がSPARC/Solarisを採用していないとなると、オラクルはSPARC/Solarisにこだわっていないと受け取られかねないのではないか。

 そう思っていたところ、同社の技術担当者が捕捉の回答として、「SPARCにもオラクルのソフトウェア技術を載せる可能性はある。近々、驚くような発表があるかもしれない」と語った。

 どうやら本格的なソフトウェア・イン・シリコンを施したSPARCが近々登場しそうだ。それによってExadata Database Machineがどんな姿になるのか。さらにどんな魅力的な製品が生まれるのか。少々先走りすぎではあるが、サンの技術資産を本格的に生かしたオラクルの製品をぜひ見てみたいものである。

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