SAS Institute Japanは8月19日、複合イベント処理(Complex Event Processing:CEP)ソフトウェア「SAS Event Stream Processing Engine」の提供を開始した。ストリーミングデータをリアルタイムで分析することを狙っている。
Event Stream Processing Engineは複合ストリーミング処理ソフトウェアの一種。高速でありながら遅延を最小限にしたストリーミング処理と、実績あるSASのアナリティクスを組み合わせているという。
リアルタイムで発生したデータを即座に理解して、パターンを検出したりイベントを評価したりでき、ビジネスの状況を把握し、事前に定義したフローでイベントに応じたアクションを継続的かつ自動的に実行する。過去に蓄積されたデータを対象にしたアナリティクスでなく、高速に発生するデータを発生と同時に処理する。
銀行や証券、保険などの金融業界でのトレーディング監視や不正検知などリスク管理やコンプライアンスのためのデータ分析をはじめ、製造業での機器の故障検知のためのセンサデータの分析、高度な需要予測のためにスマートメーターが生成するデータのリアルタイム処理、大量のモバイルデバイスを対象にしたリアルタイムマーケティング自動化まで、リアルタイム性が要求される業務に幅広く適応可能としている。
ストリーム処理で継続的に発生するイベントごとにデータを分析できるため、これまで時間の経過で損失していたパターンを検出、価値を捕捉できるという。リアルタイムな意思決定をするためのストリーム分析を提供できると説明している。
着信イベントを分割する機能は、より良い性能を得るために帯域幅を節約するだけでなく、複雑なイベントのために複数の処理経路を生成できると説明。強力な記述言語と手続き型フローが複雑な処理ロジックを処理するためのより良い方法を提供するとしている。
マシンデータやセンサデータを収集するPI SystemやAxeda Machine Streams、JMSなどに対応しており、処理したストリーミングデータはHadoopやインメモリアナリティクスサーバ「SAS LASR Analytic Server」などのデータベースに格納できる。
独自のパターンマッチング機能を使用すると連続的、時間的なイベントを定義できるとしている。イベントに含まれるテキスト情報を読み取り、抽出した言葉やフレーズを分類して、高頻度で発言されている言葉をリアルタイムに検出できるという。
SAS Instituteの幹部は、ZDNet Japanの取材に対し、CEPソフトウェアを開発中であることを明言していた。