カスペルスキーは8月21日、仮想化環境向けセキュリティソフトウェアの新版「Kaspersky Security for Virtualization 3.0 Agentless」(英語版)の提供を開始した。税別価格は最小構成で1CPUあたり16万円。データセンターやクラウドサービスベンダーなど仮想化環境を利用している法人を対象にパートナー企業経由で販売される。今後、日本語版の提供も予定している。
多数の仮想マシンを運用する環境では、ウイルス対策ソフトウェアのアップデートやスキャンが複数の仮想マシンで同時に展開する“アップデートストーム”や“スキャンストーム”が発生し、性能に大きく影響することがある。Security for Virtualization Agentlessは、こうした仮想化環境での運用にあわせて開発された。
仮想化マシンを効率よく保護する機能でシステム負荷を軽減して仮想マシンの集約率を向上できるという。仮想マシンごとにエンドポイント保護プログラムをインストールしないエージェントレス方式を採用し、仮想アプライアンスが各仮想マシンのウイルス対策処理やネットワーク攻撃を防御する。
ウイルス定義情報の更新は仮想アプライアンスのみが実施し、各仮想マシンが処理するという方式は取っていない。仮想マシン上の同一ファイルをスキャンしない共有キャッシュの機能で、同じファイルが別の仮想マシンで開かれた場合はスキャンをスキップできるようになっている。
管理ツールの「Kaspersky Security Center」は、PCやサーバなどの物理環境に加えて、Security for Virtualization Agentlessの保護対象の仮想化環境も含めて単一のコンソールで一元管理する。
新版では、ウェブ上の脅威から仮想マシンを保護する機能を強化、拡大したほか、「VMware ESXi 5.5」に対応し、保護対象のゲストOSも「Windows 8.1」「Windows Server 2012 R2」などを追加した。これまでのウェブからのファイルダウンロード時のスキャンチェック機能に加え、保護対象のゲストOS上で悪意のあるURLを検知した場合、そのウェブページへのアクセスをブロックする。保護対象のゲストOSからアクセスできるリムーバブルディスク上のファイルスキャン機能も追加した。
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