データはリアルタイムにクラウドへ上げています。遠隔からの解析も可能ですし、旬のトレンドやリアルタイムのトレンドのログも確認できます。ページにもよりますが、基本的に1時間に1回ワードをチェックしてトレンドキーワードをサイト内で表示しています。また、広告の内容も以前は料理関連だけでしたが、最近ではユーザー層を考えて車や家などの広告も掲載しています。
--有料会員を集め続けている。どのような工夫があるか。また、リテンション(維持率)対策は何か。
社内にレシピ投稿推進室という部署があります。ここでユーザーに対してどのような価値を提供できるかを常に検討しています。クックパッドのユーザーが望むものはレシピです。良質なレシピがあり、それを望む形で提供できれば、ユーザーは評価して課金してくれると信じていますし、実績もあります。新機能を追加する際にも、ユーザーがお金を払う価値が本当にあるのかを徹底的に考えます。ユーザーがお金を払ってもらえるサービスであれば、ビジネスとしても価値があります。

リテンション対策については、会員事業部が徹底してやっています。一般的な対策は何でもチャレンジしていますし、その対策がクックパッドの会員の場合に有益なのかということも徹底的に考えます。会員事業部は、そのための責任と権限を持っています。
--モバイルファースト室や会員事業部など、耳慣れない組織名があるが、新組織を作ることが多いのか。
一般的な会社よりは多いと思います。何かに対して必要性を感じると、検討してまず「室」や「グループ」を作ります。新しいことをしようという人たちを切り出して、まとめるわけですね。そして、貢献できると感じたものは実際に作っていきます。ちなみに、1人だけの「室」もあります。
--今後5年の展望とは。
変化に耐えうる組織であり続けていたいと思います。5年後、10年後のインターネットは予測できません。でも、それが見えてきたときに対応できるかどうかが重要だと思います。そこで過去に執着してしまうと変化に追いつけません。企業体質に至るまで変化し続けられること。そういう組織であり続けることが重要だと思います。いつものスタイルで満足してしまうことに危機感がありますので、常に「正しく変化できているか」を問うようにしています。