デジタルマーケティング企業Rockhouse PartnersのコンテンツマーケティングマネージャーであるEmily Harris氏によると、挑戦と競争は不可欠な要素だという。「人々の競争心に火を付けることができれば、必ず良い結果を得られるだろう」(Harris氏)
また、24時間という短い制限時間の中で、課題を簡単に実行できることが極めて重要だ。
「通常、依頼される課題が多ければ多いほど、それを実行する人は少なくなる」とPolk氏は言う。さらに、参加者へのリスクを最小限に抑える必要もある。
Harris氏が述べたように、極めて明確なテンプレート(誰が自分を指名したのかを説明して、氷をかぶり、新たに3人を指名する)があるため、もっと工夫しようと思えばできるが、それは絶対に必要というわけではない。
今回のケースでは、びしょ濡れになることは、それほど大きな障壁ではないように思える。そしておそらく、ためらいの気持ちを和らげたのは有名人の参加だろう。そして、今ではクールな子供たちが参加している。Polk氏は、90対8対2の法則にも言及した。ソーシャルメディアでは、90%の人はコンテンツを閲覧しているだけだと言われおり、8%はコンテンツを共有したり、「Like」を押したりしている。残りの2%は、そのコンテンツを生み出している人だ。
「(Ice Bucket Challengeの参加者が)同キャンペーンを話題にしている広範なオーディエンスの約2%にすぎないことを考えると、その規模は巨大だ」(Polk氏)
この課題の遂行を比較的容易にしている要素には、携帯電話の使用もある。動画の撮影と編集を行った後、数秒でアップロードできる携帯電話を所有する人が増えたため、多くの人が自分もIce Bucket Challengeをやれそうだと感じるようになった。確かに、実際に実行できる課題だ。
動画のアップロード先も重要である。理にかなったプラットフォームを選ばなければならない。「Vine」や「Instagram」、Facebookは、(ハッシュタグや友達の名前を含む)タグを付与された後、共有されることを想定した短編動画にかなり適している。
Facebookに関してALSAが見誤ったことは、Facebook上の会話の多くはプライベートであることかもしれない、とPolk氏は指摘する。ソーシャルを観察するという観点から言えば、ALSAは同キャンペーンに関するソーシャルメディアでの会話を完全には把握できないかもしれない。これも、キャンペーンの準備をするときに考慮すべきことだろう。
ただし、準備という点では、口コミに依存する場合、ブランドが制御できることには限りがある。
Polk氏は、「ブランドメッセージの制御を個人に委ねる口コミマーケティングキャンペーンを実施するときは、そのメッセージを制御できなくなるリスクが常につきまとう。しかし、それだけの価値のあるトレードオフかもしれない」と述べた。世間一般の人はメディア分野のトレーニングを受けておらず、こちらの望み通りにメッセージの意味を理解してくれないかもしれない。これを示す1つの例が、参加者は氷水をかぶらない場合に寄付をすべきなのか、それとも氷水をかぶって寄付をすべきなのかをめぐる混乱である。実際には、後者がトレンドになっているようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。