同社のOpenStackディストリビューションとなる「VMware Integrated OpenStack」(ベータ版)も発表された。
Integrated OpenStackは、VMwareの仮想環境にアクセスするためのディストリビューションであり、VMwareの仮想化製品に最適化されたOpenStackクラウドの導入を可能にするもの。開発者はVMwareの管理をOpenStackのAPIを通じて行うことができる。Integrated OpenStackの提供は、2015年上半期を予定している。
Integrated OpenStackは現在ベータ版
今回の基調講演で聴衆の大きな関心を呼んだのが、DockerやGoogle、Pivotalとの協業だ。VMwareのプラットフォーム上でDockerのコンテナをサポートする。
Dockerは、オープンソースのコンテナ型管理ソフトウェア。AWSやIaaS「Google Compute Engine(GCE)」などでも動作する。ハイパーバイザ型と比較しコンテナ型は、システムリソースの効率がよいと言われている。実際、MicrosoftやIBM、GoogleなどもDockerへのサポートを表明している。
今回の協業で両社は、vSphereや「VMware vCloud Air(旧VMware vCloud Hybrid Service)」上での「Docker Engine」の動作などを検証する。さらに、Docker関連のオープンソースプロジェクトである「libswarm」「libcontainer」「libchan」の開発でも協力していくという。
SDDC環境を最速で構築できるという垂直統合型システムのEVO:RAILも発表された。これは、SDDCに最適化された2U4ノードのラック型アプライアンスであり、vSphereやストレージリソースを仮想化するソフトウェア「VMware Virtual SAN」、「VMware vCenter Log Insight」と、新たに提供する管理ツール「EVO:RAILエンジン」が最初から包含されている。ユーザーは「電源を入れてから15分で利用できる」(Gelsinger氏)という。
対象は中堅企業。「EVO:RAILでSDDCの裾野が広がる」同社は期待を寄せている
1台のアプライアンスで仮想サーバで100台、仮想クライアントで250台が稼働可能。拡張性にもすぐれており、Virtual SANは最大13Tバイトの容量まで拡張できる。
同アプライアンスはパートナーを通じて販売される。最初のOEMパートナーは、富士通、ネットワンシステムズ、Dell、EMC、Inspur、Supermicroの6社。日本での提供は10月初旬になる見込みだ。
世界各国から2万2000人が集結した。初日の基調講演後は大混雑だ