データサイエンティスト講座

アクションにつながなければ意味がない--分析結果レポートのコツ - (page 3)

伊藤徹郎(ALBERT)

2014-09-17 07:30

報告形式について

 また、あまり指摘されることは多くありませんが、分析結果を報告する時の報告形式がどのような形式であるかを考える必要があります。企業によってその報告形式はさまざまあるとは思いますが、大別すると「プレゼンテーション形式」、「レポート形式」の2つのパターンがあります。


1つのスライドに対して1つのメッセージを記載

 プレゼンテーション形式の場合は、データに関する詳細な説明や分析手法などの詳細な説明はスライドの中で簡単に触れる程度にし、口頭で詳細な事項は補足するといいでしょう。1つのスライドにはあまり情報を詰め込みすぎず、1つのスライドに対して1つのメッセージを記載するような内容でテンポよく進めていくと、報告を受ける側にも内容が伝わりやすくなります。

 レポート形式の場合は、多くの場合、印刷する事を前提にすることが多く、レポート作成者が報告者に説明するだけでなく、資料だけが一人歩きするケースも珍しくありません。

 その場合注意する点としては、結果のデータのみを掲載してしまうとレポート作成者の意図とは別の意味合いでに解釈をされる可能性があるため、各分析結果に対して、そのデータや分析結果の意味するところをしっかりと記載し、別の意図に解釈されないような詳細な説明を記載する必要があります。そのため、この形式の場合はレポートの枚数が多くなってしまう場合があります。

 また、最近ではビジネスインテリジェンス(BI)ツールも進化を遂げており、上記で説明したような形式の他にもオンライン上でインタラクティブに報告を行う事のできるものも存在しています。日々の数値のモニタリングなどにおいてはこのような形式で確認できることが望ましいでしょう。

 本連載では、データ分析における基本的な考え方や基本的な分析の仕方、その報告などを解説してきました。読者の皆様に少しでも参考になる箇所があれば、幸いです。

伊藤徹郎
金融機関で営業からモバイル開発までの幅広く経験。その後、ALBERTにデータ分析者として参画。レコメンデーションのアルゴリズム開発やECサイト、小売りなどのCRM分析、広告分析など、幅広いデータをあつかう。Tokyo.Rなどの社外コミュニティでも活動中。

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