「Mac」ユーザー向け「Google Chrome」の64ビット版が公開されたが、同ブラウザでは多くのプラグインが使用できなくなる。
Googleは先週、「Windows」ユーザー向けChrome安定版の64ビット版を、同バージョンを明示的にダウンロードするユーザー向けにリリースしたが、Appleの「OS X」に関しては、より積極的な姿勢をとっている。ChromeチームのプログラマーであるMark Mentovai氏が米国時間8月28日のブログ投稿で述べたところによると、Mac版Chromeの64ビット版はベータテスト段階に到達したばかりだが、Googleはそれをデフォルトのリリースにする予定だという。
「ほぼ全てのMacユーザーはこの64ビット版を実行できるコンピュータを持っているので、われわれは全てのMac版Chromeベータチャネルユーザーを自動的にアップデートするつもりだ」(Mentovai氏)
64ビットへの移行は、この10年ほどの間にリリースされた64ビットチップを搭載するPC上で動くソフトウェアを最新化するが、必ずしもパフォーマンスを劇的に向上させるわけではない。レジスタと呼ばれる新しいオンチップメモリスロットを利用できることは、64ビットプログラムに恩恵をもたらすが、Googleの強調している利点は、セキュリティやメモリ消費の低減、起動速度の高速化だ。
Windows版Chromeの64ビット版と同様、Googleはブラウザの機能を拡張する32ビットプラグインを置き去りにしている。GoogleはChromeを公開したとき、「Firefox」がプラグインを受け入れる際に利用する「NPAPI」標準を採用したが、その後、同社が独自に開発した「PPAPI」という新しいインターフェースに移行している。
Googleは2014年、あらゆるNPAPIプラグインのサポートを段階的に廃止していく予定だが、現在のところ、64ビットのNPAPIプラグインは、64ビットのMac版Chromeベータ版で動作する。64ビットのWindows版Chromeで動作することをGoogleが確認した64ビットNPAPIプラグインには、Oracleの「Java」やMicrosoftの「Silverlight」が含まれる。
Mentovai氏は、「ほとんどの主要プラグインは32ビット版と64ビット版の両方が提供されているし、多くの主要ウェブサイトはNPAPIから、より現代的なHTML5 APIへの移行を進めているので、ユーザーが変化に気づくことはないはずだ」と述べ、現代的なウェブプログラミングインターフェースであるHTML5 APIに言及した。
現在、群を抜いて最も利用されているプラグインは Adobe Systemsの「Flash Player」だが、同社はFlashの機能の一部を再現するウェブ標準をサポートすることで、Flashからの脱却を目指している。ChromeはPPAPIを使用する64ビット版Flash Playerを内蔵しているので、今回プラグインの変更があっても、Flashを使えなくなることはない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。