ビッグデータやクラウドのストレージのほとんどはLinuxをベースにしている。「Amazon S3」などのストレージはシンプルに見えるかもしれないが、インターフェースの背後ではLinuxをベースをするストレージデバイス、サービス、ファイルシステムが複雑に絡み合っている。
Linux Foundationはこうした現状から、新たな開発者会議「Vault」を開催すると発表した。この会議の目的は、「ストレージとファイルシステムに関わる世界のLinuxカーネルの先駆的な開発者を集め、この分野の継続的イノベーションと教育のために協力すること」だという。この開発者会議は米国時間2015年3月11日から12日にマサチューセッツ州ボストンのリベアホテルで開催される予定で、Facebook、IBM、NetApp、Omnibond、Red Hat、SanDisk、Seagate、SUSEなどがスポンサー企業になり創設に賛同している。

Linux Foundationによると、世界中データの90%は2013年に作られ、そのほとんどがLinuxストレージに保存されている。クラウドサービス、ソーシャルメディア、ビッグデータなどの利用拡大により、ストレージとファイルシステム分野におけるLinuxの需要も高まった。これまでも、80人程度が参加する開発者会議はあった。しかし、Facebook、Twitter、金融サービス企業など数多くの企業からの要望を受け、この分野の選り抜きの開発者が集う別の会議が必要だと判断したという。
Vaultでは以下のトピックスについて、開発者とユーザからVaultで発表する講演案を募っている。
- オブジェクト、ブロック、ファイルシステムストレージのアーキテクチャ(「Ceph」、「Swift」、「Cinder」、「Manilla」、「OpenZFS」)
- 分散、クラスタ、並列ストレージシステム(「GlusterFS」、Ceph、「Lustre」、「OrangeFS」、「XtreemFS」、「MooseFS」、「OCFS2」、「HDFS」)
- 永続性メモリなどの新ハードウェア技術
- ファイルシステムのスケーリング問題
- ITの自動化とストレージ管理(「OpenLMI」、「Ovirt」、「Ansible」)
- クライアント/サーバ型ファイルシステム(「NFS」、「Samba」、「pNFS」)
- ビッグデータストレージ
- 長期保存オフラインデータアーカイブ
- データ圧縮とストレージ最適化
- ソフトウェア定義型ストレージ
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。