ブラウザはMozilla「Firefox」と「Ubuntu Browser」
デスクトップ向けUbuntu 14.10のデフォルトのブラウザは、依然としてMozillaのFirefox(現在のバージョンは31.0)だ。この基幹的なオープンソースアプリケーションのバージョンが31.0にまで到達したことには驚かされる。米国時間7月22日にリリースされたFirefoxとThunderbirdのバージョン31.0は、あらゆる現行バージョンのUbuntuデスクトップ向けのアップデートとして、既に提供が開始されている。
「Ubuntu Browser」
提供:Terry Relph-Knight/ZDNet
Canonicalはこのリリースに独自の「Ubuntu Browser」(このベータ版でのバージョンは0.23)も搭載している。Canonicalはこのブラウザの追加について、何も話しておらず、同ブラウザは、Ubuntu 13.10へのデフォルトアップデートとしても提供された。Ubuntu Browserは「Ubuntu for phones」の中核アプリとして開発され、ジェスチャーベースの操作向けに設計された簡易ブラウザだ。そういうものとして、同ブラウザは、Ubuntu for phonesや「Ubuntu for tablets」向けに開発されたアプリがデスクトップ上でどのように動作するのかを実証する役割を果たす。Ubuntu Browserで右クリックして「Dash」を開くと、「Ubuntu向けにカスタマイズされた軽量ブラウザ。ベースは『Oxide』ブラウザエンジンで、UbuntuのUIコンポーネントを使用している」という説明文が表示される。
Ubuntu開発者のChris Coulson氏は自身のブログ投稿の中で、これまでの開発は「WebKit」ポートの使用をベースとしていたが、そのせいでブラウザサポートと長期的なメンテナンスの提供が困難になった、と説明した。Oxideはこの問題を解決するために開発された。
Unity NextとMir
このベータ版に「Unity Next(Unity 8)」の気配は全くなく、プレビューとしての気配さえない。Ubuntu 14.10は依然として「Unity 7」(もっと正確に言えば、バージョン7.3.1)を実行している。そして、少なくともデスクトップに関しては、大々的に宣伝された統合の目標は、ますます遠ざかり始めているように思える。Unity 8は「Mir」ディスプレイサーバと連携する。Mark Shuttleworth氏は3月、vUDS(virtual Ubuntu Development Summit)で基調講演を行った後の質疑応答で、早くても「Ubuntu 16.04 LTS」までは、デスクトップでMirがデフォルトになることはないと今は考えている、と述べた(動画の開始後約29分の部分)。
しかし、Shuttleworth氏が指摘しているように、Mirは既にスマートフォンとタブレットでUbuntuのディスプレイサーバになっている。スマートフォンとタブレットは、Canonicalがサポートすべきハードウェアの範囲が狭く、より明確に定められたプラットフォームだ。Mirの普及を妨げているのは、グラフィックスチップ企業が自社のドライバでMirをサポートすることを渋っているからかもしれない。頻繁に更新されるUbuntu Wikiのページには、Mirをサポートするグラフィックスカードのリストが掲載されている。同ページでは、グラフィックスカードの互換性をテストしたいユーザーのために、現在の開発形態のMirをインストールする方法も紹介されている。
次の動き
Ubuntu 14.10(開発コード名:Utopic Unicorn)の正式なリリーススケジュールを見ると、Beta 2が9月25日、完成版が10月23日にそれぞれリリースされることが分かる。