やはり日本で設立されたトランスペアレントクラウドコンソーシアムは、デバイスとクラウドが連携することでコンピューティングモデルの変化と有機的なデータ処理による新しい価値、市場創出による研究活動を展開している。東京大学のほかに東北大学、大阪大学が参加している。
Wi-SUNアライアンスは、情報通信研究機構(NICT)が中心となって国際標準規格化した無線通信規格「Wi-SUN」が東京電力のスマートメーターと宅内を結ぶ通信方式に採用されたことを受けて、同規格の相互接続性の認証、普及活動を展開している。
2016年の電力システム改革はビジネスチャンス
M2M/IoT普及に向けた取り組みや今後の展望としてNTT Comでは、M2Mに必要なSIMや閉域網、クラウドをワンストップで提供する「M2M/IoTデータ流通PF」を提供している。大規模なスケールアウトに対応したクラウド基盤と、VPNの活用で多様な用途、大量のユーザー、高度なトラフィック、グローバル展開にも柔軟に対応するという。
NTT Comはまた、竹中工務店とM2Mに適したプロトコル「MQTT」でビルとクラウドをVPNで直結するビルエネルギー管理システム(BEMS)のデータの収集と見える化を共同実験として展開している。電力センサ5000個のデータを1分おきにクラウドに収集、蓄積、見える化し、目的別にデータベース化、電力量の計画と実績の差を解析しアラート発報する仕組みだ。この仕組みは、2014年度中に商用で提供することを予定している。
2016年に電力業界は、発電、送配電、小売に分離される電力システム改革が予定されており、多数の電力事業者が情報を共有しながら電力の受給と供給のバランスをとっていかなければならない体制に移行することになる。このことから「ICT企業にもビジネスチャンスが生まれる」(境野氏)と指摘した。
東京電力と検討中の共同実験では、再生可能エネルギーの出力変動を吸収する、電力品質一定化のための情報共有のための仕組みを実施することを検討している。
NTT Com自体も社内にカメラとセンサを取り付け、オフィス内の可視化を進めている。会議室、喫煙室の利用状況、従業員の在籍状況などを見える化する実験に取り組んでいる。