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「面」のコミュニケーションが柔軟で耐性のある組織を作る--VOYAGE GROUP宇佐美氏 - (page 2)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2014-09-04 17:35

 15~20人の開発メンバーで進めていると重複などのトラブルが発生し、事前調査の工数がかかるなど、よけいな部分が増えてしまいます。それを、個々のエンジニアが意識しなくてもいいように、DevOps系業務の担当者たちが環境を整えて共通化を進めています。この規模でDevOps系担当者が4人いるのは多い方だと思います。

メディア事業も成長の余地はある

--ECナビなどの売り上げが大きいが、メディアビジネスで会員を維持(リテンション)するための施策とは。

 リテンションをメインミッションとした専任の部署があります。そこでアクティブユーザーをどう増やすかや、新規ユーザーの獲得、アクティブユーザーのドロップを防ぐ、掘り起こしの部分など、いろいろ施策しながら会員1人あたりのライフタイムバリュー(LTV)をどう上げていくかに取り組んでいます。会員の登録などすべてデータで管理しています。指針とするのは、KPIとアクティブユーザーの数、それにユーザーあたりの平均単価です。課金ではないですが、1人あたりの広告収益がいくらかも見ています。

 ユーザーに戻ってきてもらうための施策としては、流通業界でよくやられているようなRFM分析(ユーザーの購買行動や履歴からターゲットの属性を調べる分析手法)をベースにしています。

 ECナビなら直近の購入頻度と購入回数、金額でセルを作り、セルごとにユーザーがどこにプロットされていて、そのユーザーを上のセルにランクアップさせるためにどうすればいいか、また下にドロップしないようにどうしたらいいか。セルのマス目ごとに施策を設けています。

--メディア業を運営する上で、スマートフォンへの施策は。

 売り上げではPCが圧倒的に多いのですが、ユーザーを見ると新規登録の半分くらいはスマ―トフォン経由となっています。スマホユーザーとPCユーザーでは年齢的にもギャップが出ています。そのため、スマホならではの内容で作っていく必要があります。今後はいわゆる「ネイティブ広告」の対応も必須になるでしょう。

 ただビジネスモデルとの相性もあり、収益モデルとセットでサイトのあり方を考えるたいと思います。今は試行錯誤の状況です。最近では使うだけでECナビのポイントが貯まる家計簿アプリ「レシトク」をリリースしました。単機能のアプリを多くリリースしていくという施策をとっています。

 社員間の価値観の共有とコミュニケーションの活性化に取り組んでいることも好調の理由の1つだと思います。会社としての目標は常にアップデートしていきますが、それよりも仕事をする上での価値観の共有を意識しています。それが経営理念のひとつである「CREED」です。VOYAGE GROUPの経営理念はSOULとCREEDから成り、SOULは「何かスゴイことをやりたい」という創業時の想いです。一方CREEDは、「仲間と事を成す」などの価値観です。単に事業部単位でなく、同じグループ会社で一緒に働く仲間たちと、どうやって「事を成す」か。そこに情報共有が効いていきます。

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