企業の多くはマネージドサービスプロバイダー(MSP)との連携を通じてプライベートクラウドやパブリッククラウドへの移行を進めており、現時点でMSPと提携している企業は37%、12カ月以内にMSPの利用への移行を計画している企業は41%にのぼる――。アバナードが9月3日に発表した。
同社は、ソーシャルやモバイル、クラウド、ビッグデータといったIT変革を促すトレンドへの企業の対応をテーマに、2013年3~4月に日米中をはじめとする9カ国のIT部門の上級意思決定者(ITDM)750人にインタビュー形式で調査した。調査結果を受けて、信頼できるMSPを自社のIT戦略の一環として活用し、アウトソーシングを進める「ハイブリッドIT戦略」の採用が進んでいると解説している。
グローバルでは、4社に1社が新しいテクノロジに投資したものの、まだ実際は稼働環境で展開されていないという。既存のテクノロジの最新版を利用するためのライセンスに時間とコストを費やしながら、その試験導入さえ行っていないと回答した企業は5分の1近く(18%)に達している。
導入済みのテクノロジの最新版を使用している企業は22%にとどまり、そうした既存のテクノロジも十分に活用しきれていないと感じている企業が3分の1近く(31%)にのぼる。最新版を評価中だと回答した企業を除いて4分の1超(28%)が、導入済みのテクノロジの最新版を使用しておらず、アップデートのための予算が不足していると回答。迅速な投資対効果(ROI)を証明できないことから必要な投資を要求できない、という回答もほぼ同数に達している。
日本の場合、経済規模が大きい米国と中国は“ベストプラクティス”国として、この4つのトレンドの採用を進めている一方で、日本は適応できず、苦戦している5カ国に含まれる。日本では、事業継続計画(BCP)導入は急務であるが、クラウドを利用するマネージドサービスに割り当てられるIT予算の前年比の平均成長率は、日本企業が最も低い結果となっている(16%)。日本のITDMがMSPの将来性を見出すのはこれからだが、現時点でMSPを戦略的パートナーにしたいと望むITDMは34%にとどまっている。