リコーは9月8日、3Dプリンターをキーとしたアディティブマニュファクチャリング事業(AM事業)に参入し、事業の第一弾として、ものづくりイノベーション拠点「RICOH Rapid Fab」を神奈川県横浜市と厚木市に開設すると発表した。
リコーグループでは、20年以上にわたり設計業務で3Dプリンタを活用してきた実績があり、加えて試作や金型加工などの数々の技術を持つ。この実績と技術を融合したAM事業を立ち上げることで、顧客のものづくりの現場におけるイノベーションを支援する。
今年度は、2つのRICOH Rapid Fab運営を通して、3Dプリンタの仕入れ販売、3Dプリンタ出力サービス、リコーの実践事例に基づくコンサルティング提案を展開し、今後はグローバルに拠点を順次拡張していく計画。
RICOH Rapid Fabは、企業の設計、製造部門の顧客を中心に、3Dプリンタの活用によるものづくり変革を提案する場としてリコー事業所内に設けられる。実際の商品の確認のためのショールームとしてのみならず、顧客のデータを用いた3Dプリンタ出力サービスにも対応、さらにリコーの設計現場における3Dプリンタの活用事例に基づくコンサルティングも実施する。
なお、3Dプリンタにはインクジェット方式、材料押出堆積方式、粉体積層焼結方式などがあり、リコーはこれらの方式に必要な要素であるインクジェット技術、材料や紛体の技術を有している。
特に積層ピエゾ技術を用いたインクジェットヘッドは、産業分野向けの外販事業をグローバルで展開しており、サイングラフィックス、三次元造形など紙だけではなくさまざまなメディアへの印刷応用に幅広く活用されている。リコーが持つこうした技術を用いて、今後は3Dプリンタの自社製造、販売も視野に、さらなる研究、開発を進めていく。