Intelが米国時間9月8日、「Intel XeonプロセッサE5 v3」シリーズを発表した。エンタープライズ向けサーバの中心的存在として、仮想化された環境での利用を想定して設計されている。前の世代(第2世代)のものよりも、性能と省電力も改善している。
3世代目のXeon E5は1600ラインのシングルソケットサーバ向け、2600ラインのデュアルソケット向けがある。
Intelのデータセンター事業部でゼネラルマネージャーを務めるDiane Bryant氏は、最新のXeon E5はデータセンターにおけるコンピューティング、ストレージ、ネットワーク主導のワークロードに共通の土台を提供する、と狙いを説明する。
「コンピューティング、ストレージ、ネットワークの各ワークロードを共通の土台で動かすことには明確な価値がある」とBryant氏は述べ、共通のビルディングブロックとソフトウェア実装スキルから効率化が得られると強調した。
発表イベントでBryant氏は、「われわれのデータセンターインフラは、静的から動的に、手作業から自動化へ、プロプライエタリからオープン標準へと変化しつつあり、共通のアーキテクチャがベースとなる」と説明した。
Xeon E5 v3のリリースに合わせて、同プロセッサを搭載した約250のサーバ、ストレージ、ネットワーク製品が、今後2カ月以内に各ベンダーから提供される見込みだ。Dell、Hewlett-Packard(HP)といった大手ベンダーは、最新のXeon E5を搭載した新しいサーバをすでに発表済みだ。Intelは32種類のSKUとは別に、顧客のワークロードに最適化する目的で20のカスタムバージョンも発表した。
Xeon E5 v3では、Intel Advanced Vector Extensions(AVX) 2のサポートが追加された。AVX 2では浮動小数点数でのFMA(Fused Multiply Add)演算サポートが加わっており、一部の高性能コンピューティングの処理能力が改善される。
Intelによると、前世代のXeon E5と比較したLINPACKベンチマークで、性能が最大90%改善したという。
もう1つの特徴が、DDR4メモリのサポートだ。前世代がサポートしていたDDR3と比較して、帯域を最大で44%拡大し、消費電力は最大50%効率化できるとのことだ。
また、Intel Data Direct I/O機能により、HDDまたはSDDに直接データを書き込めるようプロセッサキャッシュの一部を割り当てられるようになった。メモリを迂回することでI/Oの性能を改善し、メモリ帯域の需要を削減できるという。
仕様
- 22ナノメートル、最新の命令セットを持つIntel Xeon Processor E5-2600 v3
- DDR4メモリサポート
- Intel C612チップセット
- SATAサポート強化
- Enterprise SMbusとMCTPのサポート
- BMCアシストモジュール対応Intel SPS 3.0ファームウェア
- Intel Xeon Phiと併用可能
- Intel SSD Data Centre Family for PCIe
- 最大2TBのPCIeストレージカードファミリ
- Intel Ethernet XL710ファミリ
- Intel Flow Director
- Intel QuickAssist Server Adapter
- ハードウェアベースの暗号化加速、圧縮技術
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。