Intelのワイヤレスデバイスに関する野望を実現する上で役に立つのは、「Rezence」ワイヤレス充電プラットフォームだろう。同テクノロジのデモでは、木製のテーブルの上に置かれた2in1ノートPCなどのデバイスがワイヤレスで充電された。
テーブルの裏面には給電用のボードが設置されており、それぞれのデバイスのケース内には受電用の小型ボードが搭載されていた。
Skaugen氏によると、ワイヤレス受電機を既存のPCやタブレットなどのデバイスに取り付けて、充電機能を追加することも可能だという。このテクノロジをワイヤレスのギガビットデータ接続と組み合わせて、ケーブルなしでスクリーンやキーボードなどの周辺機器に接続できる、完全なワイヤレスデバイスを実現することも可能である、と同氏は述べた。
同氏は、このテクノロジがカフェのテーブルの裏面や飛行機のトレーテーブルに設置される可能性を挙げた。
Rezenceワイヤレス充電テクノロジは2015年第1四半期に提供が開始される予定だ。Intelは、航空会社のEmiratesや化学製品メーカーのDuPont、HP、半導体メーカーのロームなど、複数の企業と提携してRezenceの開発に取り組んでいる。
ウェアラブル
ウェアラブルについては、Intelはさまざまな企業と提携して、ヘッドホンからブレスレットまで、多様なデバイスを製造する考えだ。
Krzanich氏は、IntelがSMS Audioと共同で製造したインイヤーヘッドホン「BioSport」のデモを行った。BioSportは装着者の心拍数などのデータを計測し、その情報を音声でユーザーの耳に伝えることができる。
Krzanich氏はほかのウェアラブルにも言及した。IntelがOpening Ceremonyと共同で製造したブレスレットだ。このブレスレットは、携帯電話に接続して、SMSメッセージや電子メールなどのテキスト情報を表示することができる。
「われわれは可能な限り最高の製品を作るために、サードパーティー企業と提携した」(Krzanich氏)
スマートウォッチを作るために、同社は腕時計メーカーのFossil Groupとも提携している。
Intelは「Analytics for Wearables」開発者プログラムも提供する。同プログラムは、ビッグデータセットの分析を実行するためのさまざまなソフトウェアツールを提供する予定で、Clouderaの「Hadoop」ディストリビューション(分散処理およびストレージフレームワーク)を利用することができる。
次世代チップ「Skylake」
Skaugen氏はIntelの次世代CPUアーキテクチャ(開発コード名:Skylake)についての詳細も明かした。
14ナノメートル製造プロセスに基づくSkylakeは、2015年に発売されるデスクトップやノートPC、2in1PCに搭載される予定だ、と同氏は述べた。
また同チップは4K動画や高解像度の3Dグラフィックスを処理できるはずだ、と同氏は話している。
通信技術については、LTE接続機能を提供するIntelチップを搭載したデバイスがより多く出荷されるだろう、とSkaugen氏は述べている。
同氏が明かしたところによると、サムスンの「GALAXY ALPHA」スマートフォンはIntelの「XMM 7260」チップセットを搭載し、2014年中に世界中で発売される予定だという。