住宅設備大手LIXIL子会社、住宅建築向けIT基盤--原価計算などを自動化

大河原克行 2014年09月11日 16時11分

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 住宅設備大手LIXILグループのK-engineは、住宅建築業界向けITサービスプラットフォーム「K-engineサービス」を発表した。9月から提供する。「日本の住宅建築プロセスを根底から変える、最新のITを駆使した業界初の革新的サービスプラットフォーム」と説明している。

 住宅建築業界では、住宅のプラン提案から契約、着工、引き渡しまでのプロセスでのIT活用が遅れており、手作業による見積作成などが中心となっているのが現状だ。アナログ作業が大半を占める業界特有の状況は、作業効率の改善が進まず、見積もりや発注時の人的ミスの発生にもつながり、収益構造の圧迫にもつながっているという。

手作業を自動化

 K-engineサービスは、3次元設計技術やクラウド技術を活用する住宅建築業界向けITプラットフォームで、同社が持つ約300万件の建築データベースを活用する。住宅プランの2次元CADデータ(JW-CAD)を投入するだけで、データの3次元化、住宅1棟分の原価が計算でき、見積もりや工程表作成といった従来手作業だった業務を完全自動化できるとし、住宅建築会社の生産性を向上できるという。

 LIXIL代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の藤森義明氏は、K-engineについて「3年前から開発を進め、実証実験の結果、サービスを開始する」と説明した。

 「工務店や大工などの建築業界はアナログのままであり、住宅1棟分の見積もりに多くの時間をかけている。しかもこれをもとにして、長期間にわたる建築を行っていくことになる。木造住宅の6割が地場の事業者であり、新サービスは、地場産業の活性化という意味でも貢献できる。消費増税後の反動で建築市場は縮小傾向にあるが、地方の建築会社が活性化することは地方の創生にもつながる」(藤森氏)

 2次元データをもとに1棟分の建築工事項目を約3500の3次元データに分解。自由設計に対応できる約300万件を活用する。デジタル化で1週間かかっていた原価積算、施主見積、工程表を5分間でアウトプットできるという。クリック&ドラッグ、プルダウンといった直感的な操作で利用できる。K-engine代表取締役社長の喜久川政樹氏は「インターネットを利用できる人であれば十分利用できる」とメリットを説明した。

 喜久川氏は「中小の住宅建築会社は“人材不足、売れない、儲からない”という課題を抱えている。営業利益率は2%にとどまっているのが現状。その最大の要因は、アナログのままで作業をしているという状況にある。1棟の見積もりで顧客との間で250枚のファクスが飛び交っている」と現状の課題を説明した。

 「結果として、住宅建築会社では人手不足となり、顧客との対面に時間が取れないという状況を生み出し、“顧客満足度が低く、案件を逃す、儲からない”という環境を生み出している。1万分(1週間)かかっていた見積もりを5分で作成する高速レスポンスとファクスをゼロにすること、圧倒的な数のデータベースを利用できることが特徴であり、通常個別に開発すると数千万円から数億円かかるシステムが、初期投資なしで利用できる点も大きなメリットになる」(喜久川氏)

 喜久川氏は「早期に1万社のユーザーを確保したい。数十億円から100億円規模の売り上げが目標になる。年間10万~20万棟の建築で利用されるようになれば、業界全体が変わることになる」と意気込みを見せた。

 K-engineの「K」には、“建築、経営、工事、購入”という意味を持たせたという。同社では「商流の起点となる住宅建築会社のIT化促進は、流通業界、建築資材メーカーなどの上流へも効率化、精度向上が図れる。業界全体にイノベーションをもたらす」としている。


 今回のサービスは、「K-engineベーシックサービス」と「K-engineモバイルプラットフォームサービス」で構成される。

 K-engineベーシックサービスは、ヒアリングしながら簡単な操作で理想のオリジナルプランを作成し、ボタンひとつで3D化できる専用プレゼンテーションツール「K-engine Designer」を使用。作成したデータを取り込むことで提案プランから原価積算、見積作成、工程表作成までデータ連動が可能になる。

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