日本マイクロソフト、法人向け事業方針--大企業向けはグランドデザインを提案

大河原克行 2014年09月11日 17時58分

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 日本マイクロソフトは、7月からスタートしている2015年度の法人向け事業方針について発表した。

 同社の法人向けビジネスは、大企業向けのエンタープライズビジネス、中堅中小企業向けビジネスとパートナービジネスを担当するゼネラルビジネス、公共分野を担当するパブリックセクターの3つの部門で構成される。

クラウドに腰が引けている日本企業

 エンタープライズビジネスでは、約300社に対して、ダイレクトリーチによる営業体制を確立。3年連続で2桁成長を達成しているという。

小原琢哉氏
日本マイクロソフト 執行役 専務 エンタープライズビジネス担当 小原琢哉氏

 「金融や製造、通信といった業種ごとの営業体制を敷いており、それにのっとった各業種でのビジネス課題に根ざした解決策をグランドデザインとして提案していく。大企業のすべてが海外展開を視野に入れており、マイクロソフトのグローバル体制を生かして支援していく。IT部門だけでなく、企業のトップをはじめとするビジネスディシジョンメーカーに対してアプローチして、信頼されるパートナーとしてクラウドを中心としたトータルプラットフォームを提供することを目指す」(日本マイクロソフト 執行役 専務 エンタープライズビジネス担当の小原琢哉氏)

 クラウドビジネスや新たなデバイスの展開については、トヨタ自動車やLIXIL、小田急電鉄、大塚製薬などの先進導入事例をあげながらも、小原氏は、「クラウドに対して、まだ日本のユーザーは腰が引けているところがあるのが実態。とはいえ、2月の日本のデータセンターの設置以降は、少しずつ変化がみられている。企業の改革を迅速にローコストに取り組めるという点では注目を集めている。1かゼロかではなく、オンプレミス、クラウドとパートナークラウドのいいところを組み合わせて使っていくという提案をしたい。一度、タブレットを導入したユーザーが結果として2台持ちになり、使いにくいという状況が生まれていたものが、1台に集約するといった動きが出てきた」と説明した。

 今後は、クラウド専属営業部隊や技術営業部隊の新設、グループ企業や関連会社向け営業部門を強化。産業別早期体制を敷き、日本に根差した産業別ソリューションを構築。「これだけのプラットフォームを揃えているのはマイクロソフトだけであり、3年先のグランドデザインを描いて提案していきたい」と語った。

クラウド3兄弟を中核

 中堅中小企業向けとパートナー事業を担当するゼネラルビジネスでは、マイクロソフトパートナーネットワーク(MPN)を活用。さらに「強力な体制」(日本マイクロソフト 執行役 常務 ゼネラルビジネス担当の高橋明宏氏)とするインダイレクトセールス部門を活用し、見込み案件を顕在化。これをパートナーと連携した営業活動につなげている。全国6カ所の支店を通じた地場パートナーの支援体制も強化している。

高橋明宏氏
日本マイクロソフト 執行役 常務 ゼネラルビジネス担当 高橋明宏氏

 高橋氏は、「2014年度はWindows XPのサポート終了で大きな特需が生まれ、成長率は前年比25%増となっている。過去最高の成長率となった。2桁増は3年続いており、1年前には37%も残っていたWindows XPは、現時点では1桁台にまで下げることができた。“Office 365”も5倍の伸びがあった。それでもまだ日本はライセンスビジネスの比率が高い。2015年度も2桁成長を目標にしたいが、10年に一度の特需の後ではさすがに黄信号。中身で勝負したい」と述べた。

 「Quality of Revenue(売り上げの質)」を高めることに力を注ぎ、その中で重点項目とするのがクラウドビジネスだ。

 「クラウド製品に対して、インセンティブを厚くしている。マイクロソフトは、クラウドの領域でシェアが高くはない。チャレンジャーである。クラウドの売り上げ比率が高いパートナーは、利益率が高いという調査結果がある。クラウド3兄弟として、長男のOffice 365、次男のMicrosoft Azure、三男のCRM Onlineを核にして展開していく」などと、2015年度の重点ビジネスにクラウドを位置づける姿勢をみせた。

 2015年7月にサポート終了を迎えるWindows Server 2003については、「日本国内には、30万台のWindows Server 2003が稼働しているが、それを使い続ける危機感が伝わりきっていない。クラウド化、仮想化、サーバ統合などに取り組むと、平均して6~9カ月かかる。Windows XPからの移行でクライアントが最新になっている中でセキュアな環境、効率的な運用を実現するには最新の環境が必要。Windows Server 2003のサポート終了まで残り10カ月という中で新たな環境に移行する必要性をきっちりと伝えて行かなくてはならない。最低でも、OSリプレース、そして、OSとハードウェアとのリプレース、さらにはクラウドとのサービス連携という形で提案したい」と語った。

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