AMDとCanonical、OpenStackクラウド・イン・ア・ラック製品を発表

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2014-09-18 13:07

 「Ubuntu Linux」の開発を手がけるCanonicalは数カ月前、思いがけずヒット製品を手にした。それが「Ubuntu Orange Box」だ。「OpenStack」クラウド・イン・ア・ボックスであるこの製品は、コンシューマー向けのコンポーネントを使って作られているものの、5月に開催された「OpenStack Summit」の花形となった。

 それから数カ月が経ち、CanonicalはAMDと提携し、OpenStackクラウド・イン・ア・ボックスというアイデアを、OpenStackクラウド・イン・ア・ラックというところにまで推し進めた。要するに、大企業での使用に耐えられる、はるかにハイエンドのハードウェア、すなわちAMDの「SeaMicro SM15000」サーバを用いた製品を作るということだ。ラックマウント型のこのサーバ群には「Ubuntu LTS 14.04」とOpenStackが搭載されている。また、セットアップと管理を容易にするために、同製品にはCanonicalの「Metal-as-a-Service」(MaaS)とDevOpsプログラム「Juju」も搭載されている。


AMDとCanonicalは、大企業向けのすぐに使えるOpenStackプライベートクラウド製品を提供するべく提携した。

 この製品の目的は、大企業が自社のOpenStackプライベートクラウドをラック上で実現できるようにするというものだ。AMDのコーポレートバイスプレジデントであり、データセンターサーバソリューション担当ゼネラルマネージャーでもあるDhiraj Mallick氏は声明で、「AMDとCanonicalは、OpenStackテクノロジの配備にまつわる複雑さを解消した統合ソリューションを作り上げるために、莫大なエンジニアリングリソースを注ぎ込んできた。SM15000 サーバとUbuntu LTS 14.04、OpenStackによって(中略)大金を投じて専門サービスを利用したり、新たな人材を雇用せずとも、容易に配備できるOpenStackソリューションが求められているという業界のニーズが満たされる」と述べている。

 同製品で採用されているSeaMicro SM15000は、気の弱い企業や資金力に乏しい企業が購入できるシステムではない。このシステムは10個のラックユニットで構成され、512個のCPUコアをリンクし、160ギガビットのI/Oネットワーキング性能を有し、5ペタバイト以上のストレージに、高パフォーマンススーパーコンピュートファブリック「Freedom」を搭載している。

 もちろん、AMDが潜在顧客に向けて真っ先に述べているように「SM15000サーバによって、トップオブラック(ToR)スイッチや、ターミナルサーバ、数百本のケーブル、何千個もの不要なコンポーネントをなくし、より効率的でシンプルな運用環境が実現できる」。言い換えれば、SM15000サーバは安いものではないが、代替ソリューションと比べるとそれでもまだ安いということだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]