アメリカの景気は本当に強いのか?

ZDNet Japan Staff 2014年09月19日 11時18分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 9月18日の日経平均株価は、178円高の1万6067円だった。一時、1ドル108.87円まで円安が進んだことが好感され、輸出株を中心に買われた。

日米金融政策の違いが、ドル高(円安)に寄与

 17日の米FOMC(金融政策決定会合)声明で、金融緩和からの出口戦略ガイドラインが示されたことを受け、ドルが主要通貨に対して全面高になった。

 米国は、景気好調で金融引き締めの可能性が語られるようになっている。一方、日本および欧州の景気は停滞している。日本は追加緩和の可能性が語られるようになり、欧州も金融緩和を打ち出している。日米欧の景況感の差、金融政策の方向性の差が、ドル高、円安、ユーロ安につながっている。

インフレ率は、米国も低下

 「米国だけ景気好調で日本と欧州は弱い」が、市場コンセンサスになっているが、インフレ率を見ると、やや異なる絵が見える。

消費者物価指数(総合指数)の前年比変化率推移


(注:日本の4月以降の消費者物価指数上昇率は、消費増税の影響を除いたベース。
消費増税の影響は4月で1.7%、5月以降は2.0%。楽天証券経済研究所が作成)

 日本、欧州だけでなく、米国のインフレ率も足元は低下してきている。FOMC声明が発表された17日、米国の8月の消費者物価指数(総合指数)が発表された。

 前月比で0.2%のマイナスで、前年比の伸び率は+1.7%に縮小した(7月の前年比は+2.0%)。FOMC声明とは裏腹に、足元の米国のインフレ率は鎮静化してきている。

 ユーロ圏のインフレ率は0.4%まで下がっており、先行きデフレ(インフレ率がマイナスになる)の可能性も出ている。日本のインフレ率(消費増税の影響を除くベース)も、じりじりと低下してきている。

 インフレ率だけ見ると、日米欧そろって低下しつつある。ここを見ると、米FRBのイエレン議長がたびたび繰り返している「米国の労働市場の実態はよくない」「米国の景気回復にかつての勢いはない」という発言にもうなずけるところがある。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]